おいしい発見レシピ

奥村シェフがオーストラリアで手に入る食材を使ったレシピをご紹介

おいしい発見レシピ:フェットチーネのカルボナーラ

おいしい発見レシピ

フェットチーネのカルボナーラ

チーズのこくが活きた、フェットチーネのカルボナーラ

材料(4人分)
フェットチーネ…370g オリーブオイル…少々 にんにく…1片 鷹のつめ…1片
パンチェッタ(ベーコンでも可)…120g 玉ねぎ…1個 白ワイン…60ml 生クリーム…150ml
パルメザンチーズ…40g ペコリーノチーズ…40g 全卵…2個 卵黄…4個分 
塩・荒挽き黒こしょう …適宜
 

作り方
1. にんにくは半分に割り、パンチェッタは拍子切り、玉ねぎは薄切りにしておきます。チーズはすりおろしておきます。
2. 卵液を作ります。ボールに全卵、卵黄、チーズ、生クリームを入れ、荒挽き黒こしょうを加えて混ぜます。
3. 2をぬるま湯の入った鍋などにのせて、卵が固まらないように混ぜながら人肌程度まで温めておきます。
4. 熱した鍋にオリーブオイルを入れ、にんにくを炒め、パンチェッタの油が出てきて、脂身が透き通るまで弱火でゆっくり香ばしく炒めます。
5. 鷹のつめを入れ(お子さんのいる家庭は入れないほうがいいです)、玉ねぎを加え、白ワインを入れて中火でアルコール分を飛ばします。
6. 生クリームを加え、軽く炒め煮します。
7. 塩をたっぷり入れた湯で、生パスタをゆでます。あとでソースとからめるので、ゆで時間は表示時間の2/3程度にします。
8. パスタがゆであがったら、パスタのゆで汁60ccとパスタを6に加え、中火にかけて混ぜ合わせます。
9. パスタを卵液のボールに移します。卵液が温かい状態で、卵液をからめるようにします。
10. チーズが溶けて、ソースにとろみがついたらできあがり。荒挽き黒こしょうをたっぷりかけて召し上がれ。

注目の料理カルボナーラ
みなさんにもお馴染みのカルボナーラをスーパーマーケットなどで手に入れられる生パスタ(フェットチーネ)を使ってアレンジしました。
実はこのレシピ、とても変てこなイタリアンなんです。どれくらい変かというと「きりたんぽの関西風」、ありえませんよね。この説明をする前にイタリアの食の歴史の紐を少し解きます。もともと小さな国がたくさんありローマを中心としてイタリア王国になり、およそ現代のような一つの国なったのが130~140年前。それまでは各々の国に土着料理があり、それが一つの国になってから情報と流通の活性化により混合されていきました。そして今日でも北イタリアと南イタリアの二つに大きく分けることができます。北イタリアは乳製品、肉類などを多く使い、パスタは生の物が主流、濃厚な料理が多いのに対し、南イタリアでは魚介類や野菜をふんだんに使い、シンプル、パスタは乾麺。そう、クリーム系のパスタは北、トマトソースやオイル系のパスタは南なんです。
では、カルボナーラに話を戻します。皆さんがよく見かけるのはスパゲッティカルボナーラ。スパゲッティですから大体は乾麺が使われていると思います。ということは、南イタリアの料理かと思いきや、こってりとしたクリーム系のソースが絡まってる…。実はこの料理はローマのもので南イタリア料理なんです。ですから伝統的には生クリームは入らず、卵とチーズで仕上げます。クリーミーなカルボナーラに慣れ親しんでいるので想像しづらいですね。そしてもう、このレシピのおかしなところお気づきですね。今回は、パスタと生クリームは北から、基本のソースは南からなんです。でも、きっと気に入ってもらえるはずです。北と南の素敵なコラボレーション、お楽しみください。 シェフ奥村