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秋から冬に向かうこの時期は、気温や気圧の変化が大きかったり、新学期や仕事の忙しさでストレスが続くことがありますね。そんな時期に起こりやすい頭痛についてお話します。 頭痛は大別すると一次性と二次性に分けられます。 一次性頭痛は、 一般的に『頭痛持ち』と言われる良性な頭痛のことです。二次性頭痛は、原因がはっきりしていて、生命にかかわることもある悪性の頭痛のことを言います。

一次性頭痛について
頻度や症状はさまざまで、慢性的に繰り返し起こります。以下が3大慢性頭痛と呼ばれています。

片頭痛 ＜とても辛い頭痛。女性に多い＞
原因: 光や音、においなどが刺激になる。睡眠不足または過多。過労、目の疲れ。光が見える、モザイクがかかる、耳鳴りなどの兆候があることも。
症状:こめかみあたり（片側または両側）にズキズキ、バクバク脈打つような痛み。嘔吐することも。
発作時間:4～72時間。
対処法:頭を冷やして安静にする。

緊張性頭痛 ＜最も多い頭痛。女性に多い＞
原因: 長時間のパソコン使用などで頭から肩に掛けての筋肉が緊張し、血流の悪化によって起こる。身体的、精神的ストレスによる筋肉の緊張、自律神経失調が要因。
症状:ハチマキを巻く範囲だったり、首の後ろや肩、両側、頭全体の痛み。締め付けまたは圧迫感のある軽度から中等度の “厄介な” 痛み。悪心や嘔吐はない。
発作時間:30分～7日間。
対処法:肩や首に蒸しタオルを当てる。体を動かし温める。

群発頭痛 ＜一番痛い頭痛。一定期間に集中して起こる。男性に多い＞
原因: 分かっていないが、アルコールの過剰摂取者、喫煙者に多い。
症状:目をドリルでえぐり取られるような激しい痛みが15分から３時間続く。片側、前頭部から目の周りにかけて痛む。目の充血や鼻水・鼻詰まり、まぶたが腫れることもある。
発作時間:半年から2～3年ごと。発作が始まると1～2ヶ月間、毎日（特に夜間）1～２回継続する。

一次性頭痛の対処法として、リラクゼーション、安静、適切な投薬、酸素吸入、水分補給などがあります。ご自身に合った治療法、予防法は掛かり付け医（GP） に相談しましょう。『頭痛持ち』の人は、「いつどんな痛みがあったか、続いたか」「頭痛薬を飲む頻度」などを書き、持参すると診断、治療法を決めるのに役立ちます。

二次性頭痛は即受診！
二次性頭痛には生命にかかわる “悪性” の頭痛です。くも膜下出血、脳腫瘍など脳の病気に関係するもの、外傷、感染症、自己免疫病などが原因です。下記のような場合は、すぐに受診しましょう。

●突然起こる頭痛。
●今まで感じたことのない頭痛。
●我慢できない、後頭部をカナヅチで殴られたような痛み。
●意識の変化、言葉や運動の障害・麻痺がある。

「いつもと違う」頭痛も迷わず受診！
一次性頭痛でも症状を抑えるため、市販薬でも処方薬でも、定められた期間・容量を超えて薬を使用すると頭痛が悪化したり、薬を飲んでも効かなくなることがあります。これを薬物乱用頭痛と言います。頭痛薬を減らしたり、中止する必要があるので、掛かり付け医に相談して下さい。

また、片頭痛（一次性頭痛）持ちの人がくも膜下出血（二次性頭痛）を起こすこともあります。
そのため、一次性、二次性頭痛にかかわらず、ご自身の『いつもと何か違う』という勘は無視せず、我慢しないで遅れずに受診して下さい。

一人ひとりに向き合った医療を提供