愛子先生の診察室便り

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便秘について(2021年8月)- 愛子先生の診療室便り

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便秘について
 

冬に入ってから、便秘の症状で来院する方が増えています。コロナ禍にあって、ロックダウンなどで食習慣が乱れたり、運動不足が引き金になる方が多いようです。また、ストレスが過敏性腸症候群を引き起こし、お腹の調子が悪くなり、便秘や下痢になったり、両方を繰り返したりすることもあります。

いろいろな原因が…
慢性の便秘は、若いうちは女性に多く見られるのですが、高齢になると男女共に増加します。主な原因として加齢、ホルモンバランスの乱れ、食習慣の乱れ、不規則な 排便習慣、運動不足などが挙げられます。  

そのほかに、ストレスが影響し、大腸の運動に異常が起こり便の通過に時間が掛かる、生活習慣や加齢などの影響で大腸や直腸、肛門の働きが乱れる、別の病気の治療で使用している薬の副作用で便秘になる、糖尿病や甲状腺機能低下症、脳卒中、慢性関節リウマチなど全身の病気の症状のひとつとして便秘になる、大腸癌や炎症性腸疾患などによって、便がスムーズに大腸を通過できない、という場合もあります。

便秘薬(下剤)の使用、自己判断はだめ!
1週間に2~3回の排便でも力まずにスムーズな便通であれば便秘とは言いません。逆に毎日排便があっても、残便感があったり、出血するようなかたい便の場合は問題です。そして、自己判断で “便秘薬” を使ってしまうことに問題があります。

便秘薬には刺激性、非刺激性のものがあります。刺激性下剤は使用を続けているとだんだん効果がなくなり、過剰に使ったり、依存するようになります。非刺激性の酸化マグネシウムの下剤は、使用し過ぎると体内の電解質のバランスが崩れ、別の症状を引き起こします。

お腹の調子や排便パターンを常に気にしながら生活をしなければいけない、ということであれば、下剤を使う前にGP(一般開業医)に相談されることをお勧めします。

自分でできる便秘症の対策
便秘を改善するには、まず食生活を見直しましょう。朝食を抜かない、炭水化物を摂り過ぎない、1日3回食物繊維が豊富な食事を規則正しく、食事時間をしっかり取る、定期的に運動をする。また、十分に水分を摂ることも大切です。 

食事と同様、排便も大事なことです。トイレに行って焦らずに用を足す時間を取れるようにしましょう。毎日忙しくハードに過ごすのではなく、スマートに過ごすように心掛けて下さい。

便秘気味と感じ始めたら、食生活、ストレスが多くないか、ライフスタイル全体を見直すことが重要です。
 

 
Dr. Aiko Tomita Dr. Aiko Tomita Logo 一人ひとりに向き合った医療を提供
富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
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