愛子先生の診察室便り

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「がんばりすぎて」疲れてしまっているあなたへ:精神科医Marikoの視点から(2024年11月)- 愛子先生の診療室便り

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「がんばりすぎて」疲れてしまっているあなたへ:精神科医Marikoの視点から
 

愛子先生と連携し、海外在住日本人向けに心理カウンセリングを提供している日本の精神科医/心理士の首藤まり子です。愛子先生と二人で心身の健康維持に役立つ情報を発信しています。
年末が近づき、オーストラリアの新しい環境での適応に苦労しながらも、目標に向けてひたむきにがんばっている方も多いと思います。でも気づかないうちに「もっとがんばらないと」「自分はまだまだ」と考えて、自分自身に厳しくなりすぎていませんか? 今回は、そんな「がんばりすぎ」に気付き、自分を労わるためのセルフケアについてお話しします。

はじめに
全力で取り組むことは素晴らしいことですが、それが過度のストレスや疲労、ひいてはメンタルヘルス不調に繋がってしまっては本末転倒です。がんばりすぎてしまう人は、「できない自分」を否定的に捉え、無理をして限界を超えて努力を続けてしまう人が多いようです。そういう場合は、ご自身への視点を少し変えてみましょう。視点を変えるための三つのポイントを挙げていきます。

1. 自分の限界を見極める
まず一つ目は、「自分の限界を認める」という勇気を持つこと。できないことを認め、無理せずできる範囲で取り組むことで、自然と余裕が生まれます。
具体的には、自分が「どれくらいの量や時間で疲れてしまうのか」を意識し、その手前で休息を取ることを心がけます。予定を詰め込みすぎず、周りのサポートに頼ることも一つの方法です。人に頼ることは弱さではなく、自分を大切にするための賢い選択と捉えましょう。但し「疲れているかどうか分からない」という方は要注意。調子を崩す一歩手前の注意サインになります。

2. 完璧でなくて良い、と自分に許可する
二つ目は、「完璧でなくても良い」と自分に許可すること。がんばりすぎてしまう人に多いのは、「もっと完璧にやらなければ」「失敗してはいけない」という完璧主義の思考です。この思考が強すぎると、いつの間にか自分を追い詰め、息苦しさを感じ、疲弊してしまいます。完璧でなくても良いと自分に許可することで、自己肯定感を高め、気持ちに余裕が出ます。
例えば、日々の目標を少し緩めに設定してみるのも一つの方法です。100%の達成を目指すのではなく、70〜80%達成できれば十分だと自分に言い聞かせてみましょう。その小さな許しが、ストレスを軽減し、息切れせず安定したパフォーマンスを発揮するための鍵になります。

3. 自己を肯定的に捉えるために
最後は、「自分はダメだ」と感じる時、その気持ちは「必ずしも真実ではない」ということに気付くこと。多くの場合、それは過度な自己批判から来る偏った視点です。「どれだけ努力してきたか」「どれだけのことを成し遂げてきたか」に着目し、小さな達成にも目を向けることが、自己肯定感を高める第一歩です。できなかったことよりも「できたこと」にフォーカスを当て、自己を肯定的に捉える習慣をつけてみてください。

まとめ
今回のコラムでは、がんばりすぎてしまう人が自己を労わり、前向きな視点を持つためのセルフケアについて紹介しました。疲れていることを認め、これまで努力してきた自分をねぎらう視点が大切です。でも、「そんな簡単に視点を切り替えられない」という方は、専門家の手を借りましょう。忙しい年末に向けて、心を軽く前進できますように。

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MARIKO COUNSELLING
Mariko Shudo 精神科医/産業医/公認心理士(日本)
・MARIKO’s Wellness (HP)
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・お問い合わせ E: admin@marikos-wellness.com

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富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
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