
海外在住日本人向けに心理カウンセリングを提供している日本の精神科医/心理士の首藤まり子です。愛子先生と心身の健康維持に役立つ情報を発信しています。
メルボルンは、朝晩の冷え込みが日に日に強まってきましたね。季節の変わり目は体調を崩しやすく、日中でもなんとなくぼんやりしたり、やる気が出にくいという声をよく聞きます。
実は、この寒い季節に感じやすい体調不良や疲労感、「やる気が出ない」という感覚には、きちんとした身体のメカニズムに基づいた理由があるんです。
気温や日照の変化は、体と心を「省エネモード」にする
冬は気温が低下し日照時間が短くなります。それらの変化は、私たちの体温調節やホルモン分泌に影響を与え、体と心の「省エネモード」のスイッチを入れます。
低い外気に対処するため、体は代謝を落とすことで熱を逃がさないようにし、できるだけ動かないことでエネルギーを温存しようとします。つまり、省エネモードとは「動きたくないモード」ということです。さらに、短い冬の日照時間は、脳内のホルモン(セロトニンやメラトニン)の分泌リズムに影響を与えます。セロトニンの減少は気分の落ち込みにつながり、またメラトニン分泌の乱れは、睡眠リズムの乱れや日中の眠気を引き起こします。
「やる気が出ない」「眠い」「頭が働かない」…こうした状態は、気合いや根性の問題ではなく、むしろ寒い季節の自然な生理的反応と言えるかもしれません。
季節に合わせて、無理せずラクに過ごす工夫を
だからこそ、この季節は「どうすれば少しでもラクに過ごせるか」を考えてみましょう。
- 朝はしっかりカーテンを開けて、自然光を浴びる
- 温かい飲み物やスープを摂って、体を内側から温める
- 動きやすく、冷えにくい服装を選ぶ
- 予定を詰め込みすぎず、余白をもたせる
こうした小さな工夫の積み重ねが、心と体のリズムをやさしく整えてくれます。
「やる気が出ない日」こそ、自分にやさしく
やる気が出ない時期に、無理に自分を奮い立たせる必要はありません。「今はそういう時期なんだ」と受け入れてみることそのものが、心と体の休息やリラックスにつながります。
「何もできなかったな」と落ち込む日があっても、それは怠けているのではなく、心や身体がエネルギーを温存しようとしているサインかもしれません。
これからの寒い季節、自分にプレッシャーをかける日ばかりでなく、自分にやさしく寄り添うような日も、ぜひ意識的につくってみてください。
まとめ
私もあなたも動物です。季節の変化にあわせて、体も心も反応するのは自然なこと。「やる気が出ない」のは、あなたのせいではなく、今の季節に応じた反応かもしれません。
無理をせず、できることを少しずつ。自分にやさしい選択を重ねながら、冬の毎日を穏やかに過ごしていきましょう。
MARIKO COUNSELLING
Mariko Shudo 精神科医/産業医/公認心理士(日本)
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![]() 富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
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