愛子先生の診察室便り

患者さんの健康上の気掛かりになることをお便りしていきます。

免疫力とストレスの関係:精神科医Marikoの視点から(2025年4月)- 愛子先生の診療室便り

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免疫力とストレスの関係:精神科医Marikoの視点から
 

海外在住日本人向けに心理カウンセリングを提供している日本の精神科医/心理士の首藤まり子です。愛子先生と心身の健康維持に役立つ情報を発信しています。

4月に入り、メルボルンは朝晩の冷え込みが目立ち、通りを歩くと色付いた木の葉も見られるようになりました。
秋冬に流行する感染症といえばインフルエンザですが、今年は「例年より早い流行」「過去最多の感染者数」と、すでに注意が必要な状況となっています。ウイルスや細菌から身を守るための「免疫力」、実はストレスと深く関係していることはご存知でしょうか?

今回は、ストレスと免疫の関係、そして毎日の生活のなかでのストレス回避策を学びましょう。

ストレスは免疫力を低下させる
ストレスが免疫力を低下させる理由ーーそれは、ストレスにより自律神経の働きが不安定になってしまうためです。
自律神経は、私たちの意思とは関係なく、呼吸や心拍・消化・体温調節など生命を維持する働きを担う、文字通り「自律」した神経です。自律神経は、「交感神経」「副交感神経」の2種類があり、お互いが絶妙なバランスを保ちながら機能しています。ストレス負荷がかかると、この均衡が崩れ、交感神経が極端に強くなってしまいます。その結果、様々な不調とともに免疫システムにも悪影響を及ぼしてしまうのです。

ストレスを回避するための実践的アプローチ
ストレスは完全には避けられないものですが、その影響を最小限に抑えるためにいくつかの方法を試してみましょう。

1. 予測できるストレスを事前に把握する
日々の生活で起こる可能性のあるストレス源を事前に予測・特定し、可能な限り避けられるか対策を立ててみる。
例)
通勤時間の混雑がストレス:通勤時間やルートの変更は可能か? 引越した方がメリットが大きいのか?
買い物がストレス:冷凍食品や長期保存がきく食材をうまく活用して、買い物の頻度を減らせないか? 宅配サービスは使えないか?

2. 時間管理を意識する
日々のスケジュールを管理し、急ぎの仕事や予定が重ならないように計画を立てる。
常にある程度の余裕を持ったスケジューリングを心がけることで、突発的な予定やハプニングにも柔軟に対応しやすくなります。

3. 「ノー」と言う勇気を持つ
自分の限界(キャパシティ)を意識し、その範囲内で仕事や社会的な要求に応じることはとても大切。
時には無理をしなければならない場面もあるかもしれませんが、限界を超えた状態は長くは維持できず、結果的に心身の不調につながる可能性が高いです。

まとめ
ストレスは、メンタルヘルスだけではなく感染症に対する抵抗力など、体の健康にも大きな影響をあたえるものです。できるだけ上手に回避し、また回避できないものはこれまでにお伝えしてきた対処法(マインドフルネスなど)を実践することで、その影響をなるべく小さくしましょう。 ワクチン接種や手洗い・うがいといった基本的な感染症対策とあわせて実践することで、自分自身の免疫力を守り、健やかな毎日を笑顔で過ごしていきましょう。

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Mariko Shudo 精神科医/産業医/公認心理士(日本)
・MARIKO’s Wellness (HP)
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・お問い合わせ E: admin@marikos-wellness.com

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