愛子先生の診察室便り

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ビクトリア州におけるコロナウイルス感染症について(2023年6月)- 愛子先生の診療室便り

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ビクトリア州におけるコロナウイルス感染症 について
 

ローカルニュース番組などでコロナウイルス感染状況の報道がされなくなって久しいのですが、コロナウイルスが消滅したわけではありません。今回は2023年6月時点の状況を確認し、今後どうすればいいのかを考えておきましょう。

どのくらいの人が罹っている?
以下は、ビクトリア州のコロナウイルスの感染状況です。感染しても自宅で療養できるようになりましたが、入院をしなければならないような状態の人も一定数います。

【 5月19日〜25日の件数 】
入院 407床
集中治療室でのケア 17床
死亡 9人

後遺症に悩む人が増えています
LONG COVID(コロナウイルス感染症罹患後症状 “後遺症”)についてもお話ししておきます。下記のようなはっきりとした症状ではなく、「なんだか調子が悪い」というような曖昧な“不調”で悩んでいる方も多く見られます。

<報告されている症状>
・倦怠感
・発熱
・呼吸困難・咳
・胸痛
・味覚・嗅覚の変化
・集中力の低下・脳に霧がかかっているような“Brain Fog”の状態
・頭痛
・腹痛
・生理周期の変化
・持病の悪化

複数の軽度な症状が出る場合もあります。こういった辛い後遺症は、コロナウイルス罹患後から数ヶ月、数年間続くケースもあります。

LONG COVIDになりやすい人
コロナウイルスに感染した人は全員、後遺症になる可能性があります。 そして、コロナウイルスに感染した時の症状が重い人、ワクチン未接種の人、既往歴がある人、免疫力が低下している場合などは、後遺症に悩む傾向にあります。

また、コロナウイルス後遺症と判断する材料、証拠付ける検査などが存在しないため、診断は困難を要します。血液検査の数値や画像検査では正常と見なされたり、誤診されることも多くあります。

もしコロナウイルスに感染した場合は、後遺症を発症する可能性があることを考えて、罹患を証明するための検査を受けること、その検査結果をビクトリア政府に報告することが、とても重要になります。

感染予防を怠らず
後遺症のことも含めて考えると、コロナウイルスに感染しないのが一番です。感染しないためには、基礎体力・免疫力をつけておく、そして何より予防に徹することが大切です。対策もおさらいしておきましょう。

・マスク着用: 人が集まる室内、公共交通機関内などでは特に。
・RAT (Rapid Antigen Test -抗原検査): 人混みに出掛けたあとはRAT検査をする。
・在宅: コロナウイルスに感染した時と同様の症状がある場合。もし症状が悪化したら受診して診断してもらう。
・風通しの良い環境を心がける。
・コロナウイルス予防薬・治療薬などの適性確認: 感染した時の対処法について、掛かり付け医に確認しておく。
・コロナウイルスワクチンを追加接種。

ワクチンの追加接種について
最後のワクチン接種、もしくはコロナウイルス感染から6ヶ月以上経過している場合は、メディケア資格の有無を問わず、オーストラリア居住者には追加接種が推奨されています。12歳以上で接種が適性な場合は、コロナウイルス蔓延時に確認されたコロナウイルス株1価だけではなく、オミクロン株にも対応した2価ワクチンの接種を勧めています。

オーストラリアも日本も渡航制限が緩和されたことで、さまざまな国から渡航者があり、ウイルスの持ち込みが考えられます。 また、日本とオーストラリアは季節が逆のため、夏や冬に日本に帰国される際は体調管理が難しいこともあります。せっかくの滞在期間、体調を崩さないためにも、ウイルス感染しないためにも、できる限りの予防・準備を怠らないようにしましょう。

Dr. Aiko Tomita Dr. Aiko Tomita Logo 一人ひとりに向き合った医療を提供
富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
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