愛子先生の診察室便り

患者さんの健康上の気掛かりになることをお便りしていきます。

女性ヘルスケアついて:産婦人科医、西村陽子より(2025年7月)- 愛子先生の診療室便り

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女性ヘルスケアついて:産婦人科医、西村陽子より
 

オーストラリアで日本人GPとして活躍する愛子先生と連携し、海外在住日本人の方向けに女性ヘルスケア全般のオンラインカウンセリングを提供している産婦人科医の西村陽子です。今回は自己紹介も兼ねて「女性ヘルスケアとは何か? 」「女性ヘルスケアの重要性」についてお話させていただきます。

はじめに
私はこれまで総合病院、産科専門病院や生殖補助医療クリニックなど、産婦人科の幅広い分野での診療にたずさわり、現在は総合周産期母子医療センターに勤務しています。産婦人科医として女性特有の様々な悩みやトラブルに向き合ってきた経験から、女性のトータルヘルスケアの重要性を強く感じています。すべての女性が悩みを抱え込むことがないように気軽に相談できる環境を提供できればと考えています。

女性ヘルスケアとは
女性の体は一生を通じてホルモンの影響を受け、初潮~妊娠出産~更年期~老年期とライフステージごとに対処すべき課題も変わります。女性ヘルスケアという分野は、女性の身体や心の特性、ライフサイクルに伴う変化、疾病リスクなどを総合的に扱う医学の専門分野です。英語では “Women's Health” や “Women's Medicine” と言われます。
女性ヘルスケアは、思春期・性成熟期・更年期・老年期と、ライフステージに応じたケアを行う必要があります。思春期や性成熟期の月経トラブルなど婦人科の病気だけでなく、エイジングと共にリスクが増加する心血管疾患や生活習慣病、更年期のメンタル不調、骨粗鬆症、性の健康なども含む包括的な医療の分野です。

なぜ女性ヘルスケアは重要なのか
女性は思春期、妊娠・出産、更年期、老年期と、ホルモンバランスや健康リスクがダイナミックに変化します。思春期においては月経開始と月経不順へのとまどいや性への問題、妊娠・出産期には妊娠合併症や妊娠中のメンタル不調など、更年期は家庭環境の変化などと共に更年期症状が表れ、そこを乗り越えると骨粗鬆症による骨折リスクや認知機能の低下など、女性には様々な問題が年代ごとにあらわれます。それらの変化は自然現象であり、誰もが通る道です。
一方で、日本人は「痛みや不調を“正常”として扱う文化」が根強く、月経や更年期などの不調は「仕方ない、我慢するもの」と、適切な医療介入が遅れがちです。自分はおかしいのではないかと1人で悩んだり、つらい症状を我慢するのではなく、早めに専門科に相談することで適切な治療へ繋ぐとが、健康寿命とQuality of life(クオリティ オブ ライフ)=「生活の質」や「生命の質」の 向上の近道となります。

女性ヘルスケアにおけるトラブルの中には、医療機関の受診や薬による治療が必要ではなく、心理的な支援も含めたカウンセリングが有効なケースもあります。カウンセリングについては少し長くなってしまうので、別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

個人が抱える悩みは人それぞれで、こうしなければいけないという決まりはありません。少しでも不調や疑問を感じている方はお気軽にご相談ください。

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Yoko Nishimura 産婦人科医(日本)
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