2021年9月8日、ビクトリア州地方区域のロックダウンの制限が一部緩和されましたが、メルボルン都市圏はまだロックダウンが続きます。2021年9月1日の発表では、まだワクチン未接種の人が多く、州民の70%が1回目のワクチン接種を終えるまで、ロックダウンで人流を減らし感染拡大を防ぐ、というのがその理由です。
現在とこれから
今回の感染拡大の原因は、COVID-19ウイルスの変異株デルタ株によるものです。感染力が強く、感染が広がる速度も速くなっています。そして今後、感染者が多いと変異が生じる機会が多くなり、新たにもっと強い変異株が出てくる可能性があるとも言われています。世界中で、人間とウイルスの‟いたちごっこ“のような状況はしばらく続くと予想されています。
一方で、治療薬や抗体治療の研究が進み、治験が始まっているものもありますが、一般的に普及するのは、まだ先の話です。
まずはワクチン接種を
アメリカCDCの2021年8月27日の発表では、デルタ株が蔓延している状況で、ワクチン接種者と非接種者を比較した場合、非接種者の感染率は4.9倍、入院率は29.2倍となっていました。この数字を見てもワクチン接種をしていれば感染や重症化のリスクを下げることが明らかです。また、COVID-19に感染し入院した人の3割以上に、疲労・倦怠感、息苦しさ、思考・集中力の低下などの後遺症が6ヶ月以上続いているという報告もあります。たとえ回復しても人体への影響がどれほどなのか分かっていないことも多く、感染自体のデメリットの方が大きいと考えられます。大変稀に見られるアストラゼネカワクチン由来の血栓症がメディアで取り上げられがちですが、COVID-19感染由来の血栓症はワクチン血栓症リスクの10倍以上であることを念頭におきましょう。
2021年9月9日時点では、高校生を優先にファイザーワクチンを接種しています。現在、60歳以上は、医学的理由がない限りアストラゼネカのみ接種可能で、18歳以上60歳未満はアストラゼネカ、またはファイザーワクチンを選択(18歳未満はファイザーのみ)することができます。妊娠中、授乳中であってもファイザーのワクチンが接種可能で、推奨されています。
まだワクチン接種していない方は、ビクトリア州のワクチンセンターの予約システムを利用しましょう。
T: 1800 675 398 W: Book your vaccine appointment | Coronavirus Victoria
GP(一般開業医)や薬局でも接種しているところがあるので、お住まいの地域で確認するといいでしょう。既往症などがあり、接種に不安のある方は、GPに相談して下さい。
免疫力アップと心のケアも
ワクチン接種後、抗体ができるまでに2週間程掛かります。ワクチンを打ったからといって油断せずに、三密(密集、密接、密閉)を避け、マスク着用、手洗いの習慣を続けましょう。
また、ロックダウン中は、免疫力をアップするように生活の見直しをする良いチャンスです。質の高い睡眠をとる、旬の物や植物性たんぱく質を多くとる、食習慣を整える、適度な運動をする、ビタミンDをとる、ストレスをためない、といったことが大切です。春になり、天気のいい日は近所の公園を散歩したりするだけでも良い気分転換になり、心と体のエクササイズになります。
コロナに負けない身体作りを心掛けて過ごしましょう。
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