愛子先生の診察室便り

患者さんの健康上の気掛かりになることをお便りしていきます。

健康管理はGPと共に(2022年1月)- 愛子先生の診療室便り

 愛子先生の診療室便り

健康管理はGPと共に
 

前回、「年末年始は、心身の健康管理を考える良い機会にしましょう」とご提案しました。今回は、具体的にどうしたらよいかお話しします。

GPで年に一度のチェックアップを
オーストラリアでは一般開業医 ( GP / General Practitioner) のシステムが確立されており、皆さん、どんな病気の場合でも、殆どはまずGPに行かれていると思います。GPでは病気の治療だけではなく、継続的・総合的に健康管理や病気予防も一緒に考えてもらうことができます。個々の状態に合わせて、健康管理をカスタマイズするということですね。
仕事が変わってから急に太った、産後気分がすぐれない、更年期が始まったなど、ライフステージが変化した時にストレスが掛かったり、ホルモンバランスが崩れて不調が続くことが多いです。そんな時にも相談するとよいでしょう。
コロナ禍では、多くのGPでTelehealthとして遠隔診療をすることができるようになりました。チェックアップとして利用することもできます。気になる症状や心配ごとがあれば相談しましょう。
特に症状がない、病院に掛かるほど具合は悪くない、病院に行く時間がないという方も、年に一度はGPに掛かることをお勧めします。

血液検査で分かる多くのこと 
チェックアップでGPに行くと、身長・体重、血圧の測定から始まり問診があります。生活習慣やこれまでにかかった大きな病気などを聞かれます。また、家系に生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常症など)が多い、親ががんで亡くなったなど、家族の病歴を伝えておくと、遺伝性の病気の可能性を考慮に入れます。また、GPの専門外の病気や歯科・眼科など専科の受診の結果も伝えておくと安心ですね。

問診後、GPから指示を出してもらい、後日検査機関 (Radiology) で血液検査をします。その結果がGPに届いたところで再度受診します。血液検査ではいろいろなことが分かります。血液中に必要な栄養素や老廃物が一定に保たれているか、生きていくための代謝が正常かを見ることができます。数値が高いから病気、どこかが悪いというわけではなく、総合的に見て健康か治療が必要かを判断し、必要なら薬の処方箋を出してくれます。例えば、悪玉コレステロール値(LDL-CHOL)が高いと食生活の指導や運動を勧められたり、ビタミンⅮ(250H VIT D)の値が少なければ、錠剤を飲むよう指導されたりします。
こうして年に一度血液検査をすることで、継続的に健康管理をしていくことができます。

そのほかの検査やワクチン接種 
私が通常お勧めするのは、血液検査も行政が推奨するベーシックなものです。そのほか、家族の病歴や都度の問診で出てきた気掛かりを考慮して、血液検査の項目を変えたりします。そうして出た検査結果を見て、その後の治療方針を決めていきます。
また、年齢に応じて大腸がんの検査、乳がんや子宮頸がんの検査のお知らせなどが行政から個人に送られます。それらの検査の結果はGPも把握しています。
そこで異常が出た場合はGPの健康診断の範囲ではなくなり、専門医とその結果についてどう対処するかを相談します。その場合は更に問診をしたり、症状に応じて検査をカスタマイズしていきます。治療が必要になった場合は、専門医と連携して行きます。  

また、子供も含め予防接種の履歴もGPが把握しています。適切な年齢、季節に合わせて必要な予防接種ができるように相談するとよいでしょう。

健康で暮らしていくために、上手にGPを利用して下さい。
 

Dr. Aiko Tomita Dr. Aiko Tomita Logo 一人ひとりに向き合った医療を提供
富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
W: doctoraiko.com
E: admin@doctoraiko.com

診療場所: MIDTOWN MEDICAL CLINIC
Level 4/250 Collins St, Melbourne
T: 03 8102 5800(日本語直通・下記診療時間内)
月 8:30-16:30
水 8:30-12:30
金 9:30-16:30
土(隔週)9:00-12:00
詳細はWebサイトでご確認下さい。
 

テレヘルスでの診察が可能な場合は、ビデオ・または電話での診察をお勧めしております。