おいしい発見レシピ

奥村シェフがオーストラリアで手に入る食材を使ったレシピをご紹介

おいしい発見レシピ:デミグラソースのビーフシチュー

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デミグラソースのビーフシチュー

デミグラソースのビーフシチュー

材料(4人分)
バター…50g 小麦粉…50g トマトペースト…20g 牛肉…600g
玉ねぎにんじんマッシュルーム…各1程度
ソース用野菜
玉ねぎ…1個 にんじん…1本 セロリ…2本 マッシュルーム…2個 にんにく…2片
スープ
赤ワイン…400ml ビーフストック…500ml チキンストック…500ml ぬるま湯…600ml
ベイリーフ…適宜 しょうゆ…大さじ2
 

作り方
1. 小鍋にバターを入れ、中火で焦がしバターを作ります。鍋底に焦げ付かないようにヘラなどで混ぜます。ブクブクと大きな泡が立ち、徐々に泡が細かくなり、メイプルシロップのような色になり、香ばしい香りが付いたら、小麦粉を入れて火を弱め、ときどき混ぜながら小麦粉を茶褐色になるまで炒め(10分程度)、ルーにします。
2. 1にトマトペーストを加え、ポロポロになるまで炒めます。
3. ソース用の玉ねぎとにんじんは半割りにして5mm程度にスライス、セロリ、マッシュルームも5mm程度のスライス、にんにくは皮付きのまま半割りにします。
4. 牛肉はひと口大に切り、塩・こしょうして小麦粉をまぶし、熱したフライパンに多めにオリーブオイル(分量外)をしいてしっかりと焼き色を付け、油をきり、深めの煮込み用の鍋に移します。
5. 牛肉を焼いた鍋の油を捨て、3の野菜を入れ、しっかり炒めて焼き色を付けます。
6. 5に赤ワインを加え強火でアルコール分を飛ばし、汁ごと煮込み用の鍋に加えます。
7. 更にビーフストック、チキンストック、ぬるま湯で溶いた2のルー、ベイリーフを加えて煮込みます。
8. 灰汁や浮いてきた油を引きながら、2時間程牛肉がやわらかくなるまで煮ます。香り付けにしょうゆを入れます。
9. ザルなどにあげ、牛肉は鍋に戻し、野菜は取り除きます。ソースは細かめの漉し器などで漉し、鍋に戻します。ソースは多めにでき上がるので300ml程度取り置き、別の料理に使います。
10. 玉ねぎ、にんじん、マッシュルームなどは、ひと口大に切って、牛肉とソースと併せて再度煮ます。野菜に火が通ったらできあがり。

注目の食材デミグラスソース
洋食屋さんの定番、デミグラスソース。シチューとソースを同時に作ります。このソースは半分(Demi)に、煮詰めて照りが出る(Glace)、ソースという意味。本来は牛骨、豚の塩漬け、野菜、トマトで作ったソース・エスパニョールを元に鶏ガラの出汁、仔牛の出汁、ワインを加え、コトコト煮詰めて作ります。かつては、多用途性と、複雑な旨味と濃厚さから、ソースの王様と言われましたが、今日では、食材の向上、素材を活かす、健康志向にそぐわないなどの理由で、時代遅れの感が否めず、絶滅危惧種のソースです。コース料理を提供するような場面では、すでに絶滅種ではないでしょうか。
しかし、良い食材が手に入りづらかった頃、濃厚な『王様ソース』でそのひと皿を最高の料理に仕上げた先人の知恵に尊敬の念を感じます。日本では少し違う歩み方をしたようです。その知恵を持ち帰った先輩方が、日本にあった食材と日本人好みの味付けでご飯に合うように進化させ、洋食屋さんという独自のカテゴリーを産み出し、現在でも愛され続けています。このレシピはそんな洋食屋さんのイメージ。私が知る筈もない大正浪漫をシェアできれば、このレシピ大成功です。 シェフ奥村