愛子先生の診察室便り

患者さんの健康上の気掛かりになることをお便りしていきます。

たんぱく質不足の問題 (2022年10月)- 愛子先生の診療室便り

 愛子先生の診療室便り

たんぱく質不足の問題
 

最近患者さんに、たんぱく質を摂るようにお願いすることが多いです。脂質、炭水化物については気を付けないといけない、という意識が一般的に広がっていますが、筋力トレーニングなどをアクティブに行っていない限り、たんぱく質の摂取を気にしてる人は少ないのではないでしょうか。
また、ダイエットでたんぱく質を控えたり、高齢者で食事に偏りが出て摂取量が足りない場合も見受けられます。

たんぱく質が不足すると…
人体の約60%は水分で、15~20%はたんぱく質でできています。そして、たんぱく質によって筋肉や皮膚、髪、爪、体内のホルモン、酵素、免疫物質などが作られています。
また、たんぱく質は筋肉、皮膚、血管などの健康維持だけではなく、体を正常に保つためのメンテナンス機能という重要な役割を担っているのです。

たんぱく質: 3つの重要な役割
1. エネルギー源
2. 体の組織の材料
3. 体の機能調整・機能維持

そのため、たんぱく質が不足すると、筋力の低下、髪や爪のトラブル、疲れやすい、貧血や免疫力の低下など、心身の不調に繋がってしまいます。

‟新しい“たんぱく質を毎日適量摂取
全身を作り上げているたんぱく質は、20種類以上のアミノ酸の配列・結合により構成されています。これらには、体内で生成されるもの、そして食事として取り入れないと生成できないたんぱく質(必須アミノ酸)があります。

体を構成するたんぱく質は常に合成と分解を繰り返し、作り替えられているために日々適度な“新しい” たんぱく質を摂取する必要があります。

日本人の食事摂取基準によると、一日に必要なたんぱく質は、18~49歳は、摂取エネルギーの13~20%、50~64歳は14~20%、65歳以上は15~20%が理想とされています。
推奨摂取量は、18~64歳の男性は一日65g、65歳以上の男性は60g、18歳以上の女性は一日50gとされています。 または、ご自身の体重1kgあたり1.2gのたんぱく質摂取を目標にすると良いでしょう。

65gのたんぱく質とは、実際どのくらい?
たんぱく質は、意外なところにたくさん隠れています。肉以外に、穀物、豆類、乳製品、魚介類、卵などで摂取可能です。 ただ、白米や生クリームなどは、たんぱく質以外に炭水化物、糖分、脂質がたくさん含まれています。 ですから、たんぱく質のおかずを増やすようにすると良いでしょう。

1回の食事で、手の平サイズのたんぱく質のおかずを摂取するように心掛けてみて下さい。
以下に高たんぱくの素材を挙げておきます。ひとつだけでなく組み合わせると効率良く摂ることができます。例えば、マーボー豆腐(肉と豆腐)、チーズ入りオムレツ(乳製品と卵)、といった具合です。

・肉類 -鶏ささみ、牛もも肉
・魚介類 -鮭、いわし
・卵類 -鶏卵、うずらの卵
・大豆製品 -きな粉、納豆、豆腐
・乳製品 -チーズ、ヨーグルト

とは言え、なんでもバランスが大事です。必要な栄養素だけを取り入れるのは難しいので、日々いろいろな食材をバランス良く適度に摂取する習慣を付けることをお勧めします。

Dr. Aiko Tomita Dr. Aiko Tomita Logo 一人ひとりに向き合った医療を提供
富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
W: doctoraiko.com
E: admin@doctoraiko.com

診療場所: MIDTOWN MEDICAL CLINIC
Level 4/250 Collins St, Melbourne
T: 03 8102 5800(日本語直通・下記診療時間内)
月 8:30-16:30
水 8:30-12:30
金 9:30-16:30
土(隔週)9:00-12:00
詳細はWebサイトでご確認下さい。
 

テレヘルスでの診察が可能な場合は、ビデオ・または電話での診察をお勧めしております。