オーストラリア東海岸沿いに、今年は早く冬が来たようです。ビクトリア州もインフルエンザのはやる季節となりました。COVID-19の蔓延が落ち着き、国境が開かれ人々の往来が増えたこともあいまって、今年は世界中でインフルエンザが猛威を振るうと言われています。
インフルエンザと COVID-19 は一年中流行していますが、特に冬は感染が増加する時期です。本格的な冬を迎える前に、インフルエンザのおさらいとワクチン接種について考えてみましょう。
インフルエンザは重症化しやすい
鼻水やのどの痛みなどから始まる風邪と症状は似ていますが、38℃以上の発熱が続き、倦怠感や関節の痛みなどの全身症状を伴います。また、インフルエンザは肺炎や脳症など重い合併症を引き起こすことがあります。特にお年寄り、子供や妊婦さん、持病のある方は、重症化しやすいと言われています。
インフルエンザはインフルエンザウイルスの飛沫感染、接触感染により発症するので、人混みを避ける、外出後は手洗いをするなど、COVID-19の感染防止策と同様の対策が有効となります。但し、COVID-19 同様に感染力が強いので、油断しないようにしましょう。
実際のところ、ご自身の免疫力が高ければ、インフルエンザやCovid-19 などの感染症に罹っても重症化する可能性は低くなります。そのためには、日頃から十分な休養・適度な運動、バランスのとれた栄養摂取など予防を心掛けること、そして何よりインフルエンザの予防には、ワクチン接種が有効です。
2023年のインフルエンザワクチン
インフルエンザ感染、そしてその合併症を防ぐため、オーストラリアでは生後6ヶ月以上の方にワクチン接種を推奨しています。
インフルエンザワクチンの種類、接種回数は、年齢によって異なります。
従来65歳以上の方は、通常のインフルエンザワクチン以外に高用量のワクチン、またはアドジュバンドワクチン(免疫反応を高める効果のある)が適用となっています。 詳細は掛かり付け医・担当医療者にご確認下さい。
2023年の南半球季節性インフルエンザワクチン株
インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ変異します。通常年に2回、WHO専門家会議を設け、どのタイプのインフルエンザが流行しているかを把握し、翌シーズンに流行するインフルエンザのタイプを想定します。そのデータを基に関係省庁・機関などが翌シーズン、ワクチンの開発を行います。 南半球2023年度のインフルエンザワクチンの製造株は以下となります。
● A/Sydney/5/2021 (H1N1) pdm09-like virus
● A/Darwin/6/2021 (H3N2)-like virus OR A/Darwin/9/2021(H3N2)-like virus
● B/Austria/1359417/2021 (B/Victoria lineage)-like virus
● B/Phuket/3073/2013 (B/Yamagata lineage)-like virus
インフルエンザワクチン接種のタイミング
オーストラリアのインフルエンザ流行のピークは冬季の6月から9月とされています。インフルエンザワクチンは毎年3月頃市場に出回ります。免疫がつくまでに2週間ほど掛かるので、まだ受けていない方はなるべく早く接種を行うことをお勧めします。
1年間はワクチンの効果が期待されますが、感染防御力が一番高いのは、ワクチン接種後3~4ヶ月となります。
妊婦へのワクチン接種
インフルエンザワクチンは、妊娠期間中どの段階においても接種可能です。
妊娠20週目以降に推奨されている百日咳ワクチンや COVID-19 ワクチンと同時に安全に接種することも可能です。
また、生後6ヶ月以内の乳幼児とお母さんを最大限にインフルエンザから保護するため、妊娠前にインフルエンザワクチンを接種した女性には、妊娠中の再接種を推奨しています。
インフルエンザワクチンが無料の場合も
以下の方は、インフルエンザワクチンが無料で接種できます。
⁻ 生後 6 ヶ月から 5 歳未満のすべての子供。
⁻ 65歳以上の成人。
⁻ インフルエンザによる合併症のリスクが高い5歳以上65歳未満の特定グループ。
– すべてのアボリジニとトレス海峡島民。
– 特定の既往歴がある人 (掛かり付け医・担当医療従事者にご確認下さい)。
– 妊娠中の女性 。
次回は、COVID-19ワクチンの最新情報をお伝えします。
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