愛子先生の診察室便り

患者さんの健康上の気掛かりになることをお便りしていきます。

熱中症・脱水症に注意(2022年2月)- 愛子先生の診療室便り

 愛子先生の診療室便り

熱中症・脱水症に注意
 

2月になっても暑い日が続いていますね。夏と言えば、日本では熱中症で救急搬送されるニュースが多いですが、ビクトリア州ではそれほどではないように思います。ですが郊外では、熱中症になる人が多いと聞いています。夏の終わりは近付いてきましたが、まだ日差しが強かったり、気温の高い日が続いたりするかもしれません。新型コロナウイルスの感染も続いていますから、油断せずに、熱中症・脱水症で医療機関に掛らないようにしたいものです。

日本とは違う、暑さを認識
熱中症は、高温の環境下で活動し汗が出ることで、体の水分や電解質が不足し、脱水状態になることを言います。

コロナ禍において、夏の間も家の中にいることが多いと思います。構造にもよりますが、レンガの家は熱がこもりやすいことがあります。エアコンが付いていない家も多く見掛けます。風通しの悪い所にいると汗をかきやすくなり、更に湿気が多いと熱中症になりかけているのを感じにくいことがあります。日頃から扇風機などを利用して空気を入れ替えたり、空調を上手に使って高温多湿を避けるようにしましょう。

外に出る時は、暑さを避ける服装で帽子をかぶり、サングラス、日焼け止めも忘れずに。
日差しが強く乾燥している時は汗をかいても蒸発してしまうので、体からどれだけ汗が出ているか分かりにくく、脱水症になってしまう危険もあります。ドライブ中の車内もクーラーをつけていれば乾燥し、汗をかいたのに気付かずに過ごしてしまうこともあります。日陰にいても、アスファルトの照り返しが非常に強いことがあり、知らないうちに高体温になってしまうことがあります。

特に、乳幼児は体温調整が未熟だったり、高齢者は新陳代謝が衰えたりしているので、体に熱がこもりやすく、熱中症が重症化しやすい傾向にあります。症状が出ても自力で対処できないことが多いので、周囲の人のケアが必要です。

疲労感があったり、おしっこの回数が少ない時は水分補給を
大量に汗をかいたり、急激に体温が上がったり、めまいやだるさを感じたら、熱中症かもしれません。その時点で涼しい場所に移動して、体を冷やして休み、スポーツドリンクや経口補水液で水分補給をしましょう。「このぐらい大丈夫だろう」と我慢したり放っておくと、意識障害を起こし危険な状態になります。

また、汗をあまりかいていないと思っていても、寝ている間も、クーラーをつけていても汗はかいているので水分補給は必要です。排尿が1日4回以下、おしっこの色が濃い、臭いが強い、という場合は脱水症が疑われるので、水分補給をしましょう。

一般成人の場合、食事も含めて少なくとも1日2.5リットルの水分を補給する必要があると言われています。だからと言って、水ばかりガブガブ飲むのはやめましょう。血液中のナトリウム濃度が低下し、めまいや頭痛などを起こす水中毒になる可能性があります。

夏の間は、こまめに水分補給をし、食事を水分量の多いメニューにしましょう。電解質を含んだ飲料も用意しておくと良いですね。

Dr. Aiko Tomita Dr. Aiko Tomita Logo 一人ひとりに向き合った医療を提供
富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
W: doctoraiko.com
E: admin@doctoraiko.com

診療場所: MIDTOWN MEDICAL CLINIC
Level 4/250 Collins St, Melbourne
T: 03 8102 5800(日本語直通・下記診療時間内)
月 8:30-16:30
水 8:30-12:30
金 9:30-16:30
土(隔週)9:00-12:00
詳細はWebサイトでご確認下さい。
 

テレヘルスでの診察が可能な場合は、ビデオ・または電話での診察をお勧めしております。