愛子先生の診察室便り

患者さんの健康上の気掛かりになることをお便りしていきます。

女性ヘルスケアのカウンセリング - ご相談例:産婦人科医、西村陽子より(2025年11月)- 愛子先生の診療室便り

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女性ヘルスケアのカウンセリング - ご相談例
 

海外在住日本人の方向け、女性ヘルスケア全般のオンラインカウンセリングを提供している産婦人科医の西村陽子です。先月の記事では、女性ヘルスケアのカウンセリングについてお話させていただきました。
今月も引き続きカウンセリングについて、具体的なご相談をあげてお話したいと思います。

カウンセリングでの相談例 01

◆ Aさん(月経痛の相談)
オーストラリアの学校で勉強中。毎月の月経時に強い腹痛や吐き気があり、寝込んでしまうことが多い。治療を開始してから少しずつ症状は軽減しているものの、
•「何か病気が隠れているのではないか?」
•「治療はいつまで続ければよいのか?」
といった不安がある。海外で受ける治療への安心感や継続方法について相談したい。
① 状況整理
強い月経痛や吐き気がある場合、「子宮内膜症」などの器質的な病気が背景にあることがあります。一方で、海外という慣れない環境でのストレスや生活リズムの乱れなども痛みを増悪させる要因になります。
② アドバイス・対応
1. 現在の治療内容の確認
服薬(ピル・鎮痛薬など)の効果や副作用を一緒に整理し、どの程度症状が改善しているかを評価します。
2. 必要に応じて婦人科検査を提案
症状が続く場合は、超音波検査や血液検査で原因を確認。愛子先生の患者さんでは多くの場合には事前に血液検査のデータなどは共有してもらっています。婦人科の内診などを受ける場合には、GP経由で紹介が必要で予約はすぐにはとれないこともありますので早めの対処が望ましいです。
3. 治療の継続について説明
低用量ピルなどのホルモン治療については継続が一般的であることを伝え、服用中のマイナートラブルや副作用について注意する点などを説明し、副作用についても飲み始めに多いため服用を継続していくことで改善する可能性をお話し、不安が軽減
4. セルフケアについて
・十分な睡眠・温め(腹部を冷やさない)
・カフェイン・アルコールを控える
・軽い運動(ヨガ、ストレッチ)
・学校との調整(症状が強い日は無理をしない)
カウンセリングでは
「毎月の痛みで不安が強い」ことに共感し、治療で改善する見通しを共有して安心感を持ってもらうことができました。

カウンセリングでの相談例 02

◆ Bさん(妊活中・不妊治療の相談)
妊娠を希望しており、現在オーストラリアで妊活中。主治医との診察は英語で行っているが、治療方針や検査結果など、微妙なニュアンスがうまく伝わらず不安を感じている。
また、日本では不妊治療が保険適用になったことを知り、
•「日本で治療を受けた方が良いのか?」
•「オーストラリアと日本の治療内容や方針に違いはあるのか?」
•「日本のクリニックを受診するなら、どのタイミングが適切か?」
といった点について具体的に相談したい。
① 状況整理
海外での不妊治療では、医療制度・検査内容・費用・言語の壁などがストレスになりやすいです。特に「英語での微妙なニュアンスが伝わらない」「治療方針が合っているか不安」といった悩みが多く見られます。
② アドバイス・対応
1. 現地での治療内容を整理
すでに受けている検査や治療段階(タイミング法、人工授精、体外受精など)を一緒に確認。不足があれば「この検査があると良いかも」と具体的に案内。
2. 日本とオーストラリアの違いを説明
・日本:詳細な検査と段階的治療、保険適用あり(年齢制限あり)
・オーストラリア:GP→専門医への紹介制、治療方針は個人差が大きい
→ どちらが自分に合うかを一緒に検討、日本での治療も許容されるのか、パートナーも一緒に受診する必要があることなどを説明
3. 日本での受診タイミングを助言
帰国のタイミングが決まっている場合は、
・月経開始直後
・排卵期の前(周期10日目前後)
など、検査・治療を進めやすい時期を提案します。
カウンセリングでは
「治療の選択に迷う」「比較して焦る」などの気持ちに寄り添い、希望に合った方法で前向きに治療に向き合うことが大切、ネガティブな気持ちのときにはホルモンのバランスも乱れがちになるのでゆったり過ごせるようアドバイスしました。

最後に
個人がかかえる悩みは人それぞれであり、こうしなければいけないという決まりはありません。そして、カウンセリングでは、このような相談はできませんということもありません。
まずはカウンセリングで相談をして、自分のからだや不調と向き合い、ご自身の状態を把握するところから始めてみてください。不調を我慢しないことが、健康への第一歩となります。
必要に応じて愛子先生や専門カウンセラーと連携を取ることで、皆さんに最適な解決法を提案します。少しでも不調や疑問をかかえている方はお気軽にカウンセリングでご相談ください。

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Yoko Nishimura 産婦人科医(日本)
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富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
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メンタルヘルス サポートとして、経験豊富な精神科医首藤まり子先生が、対面/オンラインの両方でカウンセリングをしています。
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