
TSSビザの申請で重要なこと
TSS(Temporary Skill Shortage)ビザは、テンポラリーのビジネススポンサービザです。申請者はこのビザを利用して、オーストラリアの雇用主の下で働きながらオーストラリアに滞在することができます。ノミネートの職業によっては、永住権へのチャンスをつかむこともできます。
重要になる「2年間の職業経験」
移民局によると、このビザの目的はスキルを持つ外国人労働者を活用し、オーストラリアのスキル不足を一時的に解消することです。しかし同時に、オーストラリア人労働者が優先的に職を得ることも保証されなければなりません。
2017年以降、移民局はTSSビザに多くの変更点を加えました。これらの変更の目的は、雇用主のスポンサーシップが確実に必要なもので、現在のオーストラリアの労働力不足を補うものかを確認するためです。もうひとつの大きな理由は、申請者が高いスキルを持ち、職業経験があることを確認するためです。高いスキルと経験のある労働者は、オーストラリアの労働力に素早く貢献することができるからです。
そのため申請者の条件として「2年間の職業経験要求」があります。申請者はノミネートされる職業、またそれに関連した職業で、過去に2年以上の職業経験があることを証明しなければなりません。
2年間の職業経験のガイドライン
「2年間の職業経験」に関する移民局のガイドラインを以下にまとめます。
- 職業トレーニングを含む職業経験は、申請者がノミネートの職業で働いている間、または関連分野で同等のスキルレベルの業務をしている間に得た期間でなければならない。
- 職業経験はフルタイムで、過去5年以内のものであること。この期間は継続的でなくてもよい。またパートタイムの職業経験であっても、2年間のフルタイム同等の期間があり、申請者の経験とスキルが申請職業に関連するものである場合は考慮される。
- ANZSCO職業分類で、それぞれの職業に必要とされているトレーニング、就労経験を満たした以降に働いた期間がカウントされる。
- 申請者がノミネートの職業ではなく、関連した職業で働いた経験がある場合、業務内容がノミネート職業と同様でスキルレベルが同等かどうか、ANZSCO職業分類の定義に沿って審査される。例えば、キッチンハンドや料理人(Cook)はシェフよりもANZOSCOのスキルレベルが低いため、同等のポジションと見なされない。
- 上記に加え、関連する産業を代表する団体が申請者のスキルや経験を認める場合も考慮される。
- 産業別ガイドライン
① 医療もしくは研究職などにおいて、修士号やPhDプログラム就学中に得た実習期間は関連職業の経験として考慮される。
② CRICOSに登録してあるコース就学中に得た職業経験(実習・インターシップ・見習い期間など)は、関連する職業経験と見なされる場合もある。
③ 舞台演技の分野での申請者で、申請者の才能が世界的に認められており、特別なタレントと判断された場合は、就学中に行った演技経験も考慮される。
④ マネージメントコンサルタントなど、ほかの職業、産業などでもスキルが通用する場合も関連職業の経験として考慮される。
ビザ申請前に2年間の職業経験がない場合は?
ビザ申請後に働いた期間も2年間の職業経験期間として加算することができます。この2年間の職業経験要求は、ビザ審査プロセスの一番最後、決断が下される時に審査されるので、ビザ審査中に2年間の要求を満たしていれば問題ありません。
TSSビザ申請に関して、更なる詳しい情報はKabo Lawyersまでお問い合わせ下さい。
Andy Ellen【 アンディ・エレン】
(Registered Migration Agent, MARN 0962018)
KABO LAWYERS (カボー法律事務所)のシニア移住コンサルタント。
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相談先 E: Yuki.Nomura@kabolawyers.com(日本語)
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