| レジデントリターンビザ申請料引き上げの影響 |
2026年7月1日から、レジデントリターンビザ(Resident Return Visa: サブクラス155)のオンライン申請料が$1,475に引き上げられました。レジデントリターンビザでは、通常5年間の渡航許可が付与されるため、オーストラリアと日本を定期的に行き来する人々の間で、今回の申請料引き上げが大きな注目を集めています。
オーストラリアで永住者として生活基盤を築いてきた多くの日本人が、レジデントリターンビザの申請料が大幅に引き上げられたことを受け、将来について改めて考える人が増えています。
オーストラリア市民権を取るべきか?
上記にあるように、5年間の渡航許可が付与されているレジデントリターンビザのオンライン申請料は$1,475です。これに対し、オーストラリアに無制限で入国できるオーストラリア市民権(Australian Citizenship)の一般的な申請料は、現在$595です。
現実的とは言い難いですが、今後さらなるレジデントリターンビザの申請料の引き上げがないと仮定した場合でも、20年間の費用が約$6,000必要になります。レジデントリターンビザの更新を繰り返すことで、オーストラリア市民権を取得した場合との費用の差が大きくなります。
オーストラリア市民権には、オーストラリアに住み続ける権利、オーストラリアのパスポートの取得、選挙権に加え、オーストラリア出入国が無制限になりレジデントリターンビザを更新する必要がなくなるなど、メリットは非常に大きいと言えます。
しかし、多くのオーストラリア日本人永住者にとって、オーストラリア市民権を取得することは単に費用や利便性だけの問題ではありません。
日本国籍をどう考えるか
多くの日本人永住者は、オーストラリアで生活しながらも日本との間に強い繋がりを持っていると思います。日本に高齢の親がいる人や兄弟姉妹がいる人、不動産や事業を持っている人、また日本人であることを大切に感じている人もいます。多くの人にとって国籍は単なる法的なものではなく、自分自身のアイデンティティでもあるため、オーストラリア市民権を申請するかどうかは、多くの場合、極めて個人的な判断となります。
日本とオーストラリア、どちらを選ぶのか
参考に、オーストラリア市民権を検討する際の一般的な判断事項をあげておきます。
- オーストラリアを一生の生活拠点にするつもりなのか
- 日本国籍をどれだけ大切に考えているのか
- 日本にいる家族との関係を今後どうしていきたいのか
- 国籍を変更することで、将来どのような影響があり得るのか
人によって答えは大きく異なります。オーストラリア市民権によって、長期的で確実な居住者としての権利を取得することに安心を得られる人もいます。一方で、日本国籍を維持することを優先し、レジデントリターンビザの費用が高くなっても永住権を維持するという選択をする人もいます。
「二重国籍」の問題
日本人がオーストラリア市民権を取得する場合、特に注意したいのが日本の国籍法との関係です。オーストラリアでは二重国籍が認められていますが、日本の法律には、日本国籍を持つ人が自らの意思で外国籍を取得した場合に関係する規定があります。
実際には、「オーストラリア国籍を取得した後も、しばらく日本とオーストラリアの両方のパスポートを持っていた」という人もいます。しかし、他の人がそうしていたからといって、誰にとっても同じ結果になるとは限りません。
大切なのは「他の人が二重国籍で問題なく過ごしているか」ではなく、自分がオーストラリア市民権を取得した場合、日本国籍について将来的にどのような扱い - 日本国籍喪失 - を受ける可能性があるのかを理解した上で、そのリスクを受け入れられるかということです。
正解は人それぞれ
レジデントリターンビザ申請料が大幅に上がったことで「永住権を維持し続けるのか、市民権を取るのか」と考え始める日本人永住者が増えるのは当然だと思います。しかし、この問題に誰にでも当てはまる正解はありません。
この機会に、自分と家族にとってどの選択が一番良いのか改めて考えてみてはいかがでしょうか。
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Andy Ellen【 アンディ・エレン】
(Registered Migration Agent, MARN 0962018)
Aitken Partnersのシニア移住コンサルタント。
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