豪ワーキングホリデービザ、24カ国で新規申請を一時停止
- 日本国籍者は対象外も、審査には通常より時間がかかる可能性 -
オーストラリア政府は、ワーキングホリデーメーカー(WHM)プログラムのうち、年間発給枠が設定されている「Work and Holiday visa(サブクラス462)」について、24カ国からの新規申請受付を一時停止している。
一方、日本国籍者が申請する「Working Holiday visa(サブクラス417)」は、今回の申請停止の対象にはなっていない。ただし、オーストラリア内務省は、サブクラス417と462の双方で申請が集中しており、審査に通常より時間がかかっていると案内している。
24カ国からの申請を一時停止
オーストラリアのワーキングホリデーメーカープログラムには、主に次の2種類がある。
- Working Holiday visa(サブクラス417)
- Work and Holiday visa(サブクラス462)
日本、英国、カナダ、フランスなどの国籍者は、年間発給枠が設定されていないサブクラス417を申請する。
これに対し、サブクラス462では国ごとに年間発給枠が設けられており、オーストラリア内務省のウェブサイトによると、2026年8月19日現在、次の24カ国からの最初のビザ申請が一時停止されている。
アルゼンチン、オーストリア、ブラジル、チリ、チェコ、エクアドル、ギリシャ、ハンガリー、インドネシア、イスラエル、ルクセンブルク、マレーシア、モンゴル、パプアニューギニア、ペルー、ポーランド、ポルトガル、シンガポール、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、タイ、ウルグアイ。
サンマリノとトルコからの申請は引き続き受け付けられている。中国、インド、ベトナムについては、抽選方式による事前申請手続きが採用されている。
「一時停止」は制度の廃止ではない
内務省によると、申請状況の表示には「Open(受付中)」「Paused(一時停止)」「Closed(受付終了)」の3種類がある。
「Paused」は、年間発給枠が埋まりかけている場合や、申請が特定の時期に集中するのを避け、年間を通じて申請件数を分散させる場合などに適用される。また、政府の移民政策との整合性を図りながら、制度を持続可能な形で運用するために、一時停止することもあるという。
一時停止となった国については、同じプログラム年度内に申請受付が再開される予定。ただし、再開時期は国によって異なるため、申請希望者は内務省のウェブサイトを定期的に確認する必要がある。
年間発給枠がすべて埋まり「Closed」となった場合は、その年度内には再開されず、次のプログラム年度まで待たなければならない。
停止の詳しい理由は明らかにされず
ABC Newsによると、トニー・バーク内務・移民相は8月16日、ワーキングホリデービザについて「以前よりも審査を遅くしている」と説明したが、その理由や今後の見通しについては詳しく述べなかった。
内務省もABCへの回答で、「ワーキングホリデーメーカープログラムの改革により、需要をより適切に管理し、ビザをより公平に配分する」と説明したものの、今回24カ国の申請を一時停止した具体的な理由には言及していない。
【確認できた事実】
24カ国の申請停止は、年間発給枠のあるサブクラス462の「最初のビザ」に関するもの。サブクラス462の2回目、3回目のビザ申請に適用される国別発給枠ではない。
また、日本国籍者が対象となるサブクラス417については、申請受付が停止されたとの政府発表は確認されていない。
ただし内務省は、サブクラス417と462の両方について、申請件数の増加により審査が通常より長引いていると発表している。
日本からの申請者への影響は
今回の24カ国の申請停止に、日本は含まれていない。このため、日本国籍者によるサブクラス417の新規申請は、引き続き可能とみられる。
ただし、ビザの申請ができることと、短期間でビザが発給されることは別である。内務省は、ビザ発給の書面による通知を受け取るまでは、オーストラリアへの航空券などを予約しないよう呼びかけている。
すでに申請している場合は、ImmiAccountから申請状況を確認できる。追加資料を求められた場合も、ImmiAccountを通じて提出する。
現時点で、審査の遅れがいつまで続くのか、新しい標準審査期間がどの程度になるのかは明らかになっていない。
地方の農業・観光業への影響を懸念
ワーキングホリデーメーカーは、旅行をしながら短期間働く若者を受け入れる制度で、1975年に文化交流を目的として始まった。
現在では文化交流だけでなく、農業、観光、宿泊、飲食など、特に地方で人材不足が続く業種を支える存在となっている。
ABCの取材に応じた業界関係者は、農場では数日間または数週間だけ人手が必要になる場合があり、移動しながら働くワーキングホリデーメーカーが重要な役割を果たしていると指摘した。
また、ワーキングホリデーメーカーは地方で働くだけでなく、宿泊施設や飲食店、旅行会社などを利用するため、地域内の消費や雇用にもつながっているという。
Tourism AustraliaのデータとしてABCが報じたところでは、2019年にワーキングホリデーメーカーがオーストラリア経済にもたらした金額は32億ドルで、このうち少なくとも7億2,600万ドルが地方で使われた。
2025年6月30日時点では、オーストラリア国内に20万6,187人のワーキングホリデーメーカーが滞在していた。
【推測】
今回の一時停止や審査の長期化が、オーストラリア政府による純海外移民数の抑制策と直接関係している可能性は指摘されている。
ただし、政府は今回の措置と移民数削減政策との具体的な関係を明らかにしておらず、現時点で断定することはできない。
申請者は最新情報の確認を
申請受付状況は、同じプログラム年度内でも変更される可能性がある。内務省は、システム上の都合により、ウェブサイトへの反映に最大48時間かかる場合があるとしている。
これからワーキングホリデーでオーストラリアに渡航する予定の人は、申請受付状況と審査期間を内務省の公式サイトで確認し、ビザ発給前に変更できない航空券や宿泊施設を予約しないよう注意が必要だ。
※ビザの要件や受付状況は変更される可能性があります。申請に当たっては、オーストラリア内務省の最新情報を確認してください。
【情報源】
ABC News – What you need to know about the working holiday visa pause
Australian Department of Home Affairs – Status of country caps
Australian Department of Home Affairs – Working Holiday Maker program latest news
Australian Department of Home Affairs – First Working Holiday visa(subclass 417)

