
「セクション48」に関する変更
移民局は、移民法「セクション48」に関して新たに変更を出しました。この変更は2021年11月13日より適用されています。
セクション48とは?
多くの人にとって、この「セクション48」は聞きなれない言葉かと思います。
申請したビザが審査の結果リフューズされ、保持しているビザがブリッジングビザのみの場合、オーストラリアで次のビザを申請することができません。
この制限が「セクション48」として知られる移民法の法規定です。
保持しているビザがキャンセルされた場合も同様に「セクション48」が適用され、オーストラリア滞在中に次のビザ申請することが禁止されています。
では、「セクション48」の該当者は、今後ビザ申請が全くできないのでしょうか。
そういう訳ではありません。「セクション48」の該当者は国内で申請できないだけで、国外に出れば申請することが許されています。
今回の変更で何が変わる?
この変更によって、以下の3つのスキルビザ申請で「セクション48」の規制が撤廃されました。
• サブクラス190-スキルノミネート(永住ビザ)
• サブクラス494-地方ビジネススポンサービザ(テンポラリービザ)
• サブクラス491-地方スキルワーク(テンポラリービザ)
この変更はCOVID-19パンデミックの影響で、各国が施した渡航制限を反映して作られました。COVID-19パンデミックによりオーストラリアに留まるしかなく、また「セクション48」の制限により次のビザ申請が禁止されていた人でも、上記の3つのビザのどれかでノミネーションが認められれば、国内でビザ申請することができます。
また、ノミネートした人の家族構成員でも申請することが可能です。
ジムさんの例
ジムさんは学生ビザを申請しましたが、リフューズされてしまいました。彼はAAT再審査機関に再審査の申請をしました。そして再審査のヒアリングを待つ間、ブリッジングビザAでオーストラリアに滞在していました。彼はビザ申請がリフューズされ、かつ保持しているビザがブリッジングビザのみだったため、「セクション48」が適用されていました。
ジムさんは再審査を待つ間にサブクラス190ビザのNSW州ノミネートに申請し、ノミネートが認められ、190ビザを申請するためのインビテーションを受け取りました。今回の変更のおかげで、ジムさんは190ビザの申請のために国外に出る必要はありません。もし変更がなかったら、ジムさんは一度オーストラリアを出て、国外から申請しなければなりませんでした。ジムさんにとって、この変更はとても良い朗報となりました。
ジムさんがサブクラス491ビザ、もしくはサブクラス494ビザに申請する場合でも、同様に国内から申請できます。
この変更は継続する?
ただ、今回の変更が今後ずっと継続するかは定かでありません。COVID-19パンデミックの措置の一部として、一時的なものである可能性があります。各国の渡航制限がすべて解除になっても、この変更が継続されるかどうかは現在のところまだ分かっていません。
該当する申請者の方は、早急に専門家のアドバイス受けることをお勧めします。
Andy Ellen【 アンディ・エレン】
(Registered Migration Agent, MARN 0962018)
KABO LAWYERS (カボー法律事務所)のシニア移住コンサルタント。
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