わかりやすいビザのおはなし

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パートナービザ申請後に状況が変わったら…(2023年4月)- わかりやすいビザのおはなし
 

Visa Title パートナービザ申請後に状況が変わったら…

2023年1月の同コラムで、パートナービザの概要をお伝えしました。今回はパートナービザ申請後に恋愛関係が終了した場合について、詳しくお伝えしたいと思います。

永住権取得後に関係が終わった場合
パートナービザ(サブクラス801もしくは100)で、永住権取得後にパートナーとの関係が終わった場合でも、パートナービザは引き続き継続されます。永住権取得後、申請者はオーストラリアの永住者となります。従って、永住権取得後に関係が終わっても元パートナーがビザのキャンセルや出国をさせる権利はありません。
ビザの条件は何も変わらず、特に報告する必要もありません。

テンポラリーパートナービザの保持者の場合
一方で永住権取得前に関係が終わった場合は申請をキャンセルされ、ビザ申請は却下されます。永住権を取得してからの別れとは、条件が違ってきます。
テンポラリーパートナービザ保持中に恋愛関係が終わったら、移民局にその旨を迅速に報告しなければなりません。その場合、移民局は申請者のパートナーに連絡を取り、正式にスポンサーシップを撤回するように依頼するかもしれません。
しかし以下の場合、関係が終わっても、永住権が下りる可能性があります。

1. 申請者がDVの被害者。
2. 申請者と元パートナーの間に子供がいる。
3. 申請者のパートナーが死亡した。

1. DVにより恋愛関係が終わった場合
被害者がたとえテンポラリービザでの滞在者であっても、オーストラリア政府は家庭内暴力を許容しません。従ってDV被害者は、オーストラリアに残るために虐待関係に耐える必要はありません。
DVが原因で関係が終わった場合、永住権取得の特別考慮に申請でき、オーストラリアに引き続き滞在できるかもしれません。

<DVによる特別考慮の申請>
移民局に報告: 特別考慮に申請する際は、まず移民局に元パートナーとの恋愛関係が終わったこと、また、元パートナーからDVを受けていたことを迅速に報告する必要があります。
関係の調査: 移民局が家庭内暴力に関して調べる前に、恋愛関係が真実で継続的なものであったことを証明しなければなりません。恋愛関係の証拠の追加書類提出が求められる可能性もあります。
DVの証拠: 恋愛関係の証明後、DVがあったことを証明する証拠の提出が求められます。その暴力は元パートナーとの恋愛関係にあったときに起こったもので、そのパートナーがビザのスポンサーであることを証明しなければなりません。その証拠は司法証拠(裁判所からの書類)、もしくは病院の診断書やDVセンターからの調査報告書などの書類でも構いません。

2. 元パートナーとの間に子供がいる場合
元パートナーとの間に子供がいる場合、関係が終わったとしても永住権を受け取れる可能性があります。そのためには親権、養育の責任などを元パートナーと共有していなければなりません。
まずはビザがキャンセルされないように移民局に報告、証拠の提出をしなければなりません。審査の後、永住パートナービザのステージに進むことができるかもしれません。

3. パートナーが死亡した場合
パートナーが死亡した場合、引き続きオーストラリアに滞在できる可能性があります。その場合、パートナーが死亡しなければ関係が継続していたことを証明しなければなりません。

法的権利を知る
ビザ申請者はパートナーとの恋愛関係が終わることで、出国を余儀なくされると不安になるかもしれません。ですが、むやみに心配せず、パートナービザの以下の権利について理解しておくことが重要です。

元パートナーはビザをキャンセルできない: 元パートナーが移民局に関係が終了したことを報告しても、ビザをキャンセルすることはできません。ビザ申請をキャンセルできる唯一の人物はビザ審査官です。
答弁する権利がある: 元パートナーが移民局に報告した場合、移民局からEmailで通知が送られてきます。この通知を受け取った日から、質問に応えるまで28日間の猶予があります。但し、答弁しなかった場合はビザがキャンセルされる可能性があります。

ビザに関するご相談は、Kabo Lawyersまでお問い合わせ下さい。

 

Kabo Lawyers logo Andy Ellen Andy Ellen【 アンディ・エレン】
(Registered Migration Agent, MARN 0962018)

KABO LAWYERS (カボー法律事務所)のシニア移住コンサルタント。
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