メルボルン朗読の会 ワークショップのお知らせ
2016年08月02日 - 17:55:56

 

第三回 ワークショップのお知らせ


8月11日木曜日 1:30 - 3:00pm

場所 Writers Victoria のビルのRoom 5

Level 3, 176 Little Lonsdale St (State Library 脇)

参加 無料、朗読をしない方でも参加歓迎です。

お問い合わせ、参加希望は ANEnonprofit@gmail.comまでお願いします。

担当:ピンカートン曄子

 

 

第二回メルボルン朗読の会ワークショップ - 報告

6月16日にWriters Victoria で開かれたワークショップの内容は次のとおりです。

  1. 事前にメンバーがYouTube で聴いた朗読とANE配信の「愛の両がわ」の朗読についての意見交換 がありました。100歳の詩人柴田トヨさんの朗読の一つはプロによる高いレベルのもの、もう一つは詩 人自身の老人の声による朗読。これは、「朗読には声がよくなければいけない」という固定観念を否定 する感動的な朗読でした。「愛の両がわ」は、本を目で読むのと変らない速さで朗読されていることと、 会話体ではない普通の文にも感情をこめて読まれている特徴に気づかされました。
  2. 斉藤孝著「声に出して読みたい日本語」(草思社2001年、2002年に第80刷発行)の内 容を検討しました。この本は明治以前の日本の名文や親しまれた名句などを数多く収録した日本語の 古典の宝庫のような本です。これらの文を声に出して読むことにより、すばらしい音楽や絵画を楽しむよ うに日本語を楽しむことが目的です。ワークショップでは、与謝野晶子著「君死にたまふことなかれ」、歌 舞伎の「白波五人男」の一節と百人一首を読んでみました。朗読の会は今後、この本を大いに利用し たいと思います。
  3. 以上に加えて、日野原重明著「生き方上手」、坂口安吾著の随筆「堕落論」の一部の朗読がありまし た。ここでは、「朗読者は作者が言わんとすることを理解して、作者を代弁するように朗読しなければな らない」という一説について議論があり、読者が作者の考えていることを正しく理解しているかどうかは不 明であり、読者の手に渡った作品は読む人の理解に基づいて感情移入されることが当然である、という 合意がありました。
  4. また、技巧上では、「助詞は強く発音せず、文の重要と思われる言葉を強調して読む」という、朗読経 験者からのアドバイスがありました。

以上のように書きますと、書いている本人でも驚くほど堅苦しい集まりのように聞こえますが、実際は大変和やかな雰囲気の会です。ワークショップの目的は、朗読することを楽しみ、聞く人にも楽しんでもらうことです。気軽にご参加ください。

担当:ピンカートン曄子