もっと教えて 会計・税務のこと

タックスリターン、個人経営、起業・ビジネス、投資など、お金のことならお任せ。

電気自動車のFBTが免除に?(2022年9月)- もっと教えて 会計・税務のこと

もっと教えて会計・税務のこと

電気自動車のFBTが免除に?
 
連邦政府は2022年7月27日に、選挙前、労働党の公約である電気自動車(Electric Vehicles=以下「EV」)のフリンジベネフィット税(FBT)免除を実現するための法案を提出しました。
※FBTとは、従業員(とその家族など関係者を含む)の給与や賃金とは別に支払われる手当に対して、雇用主が支払う税金です。社用車を個人の目的(通勤なども含む)で使用した場合も、FBTの対象となります。

電気自動車の現状
EVは、オーストラリアの新車市場の2%弱を占めるに過ぎませんが、2020年から2021年にかけてEVの新規登録台数が62.3%急増したと言われており、急成長している分野です。
EVのFBT免税化は、低排出・排出ゼロ車を、より多くのオーストラリア国民が選ぶようにするための、政府の計画の第一歩に過ぎず、政府は、手頃な価格とさまざまな心配の種の克服に重点を置いていると言われています。例として、下記のような対策が掲げられています。
・ 輸入関税の引き下げ。
・ 高速道路にEV用急速充電器を150㎞毎に設置する。
・ 全国的な水素ハイウェイネットワークを構築し、オーストラリアの最も交通量の多い貨物輸送ルートにステーションを設置する。
・ 連邦政府が保有する車両を75%排出ゼロ車に転換する。

EVへのFBT免除法案とは?
概要は以下の通りです。
<対象となる車>
条件1 低排出ガス車・排出ゼロ車として、FBT免除の対象となるのは以下の車です。
・ バッテリー式電気自動車
・ 水素燃料電池式電気自動車
・ プラグインハイブリッド式電気自動車
(注)ここで注意したいのは、すべてのハイブリッド車が含まれるわけではないことです。「プラグイン」であることが条件です。内燃機関を搭載していても、車外の電源で充電できるバッテリーを燃料としなければ、要件を満たしません。

条件2 最初に保有され使用されたのが2022年7月1日以降であること。
たとえ2022年7月1日以前に発注され、雇用主がその車の法的所有権を取得したとしても、2022年7月1日より後に納車されていれば、EVは免除の対象となります。但し、2022年7月1日より前に納車された車は対象となりません。
中古のEVは、その自動車が2022年7月1日以降に初めて新車で購入された場合に限り、免除の対象となります。

条件3 高級車税(Luxury Car Tax)非課税未満の価値であること。
最初の小売販売時の車の価格が、低燃費車の高級車税基準額(2022-23年は$84,916)未満でなければなりません。この高級車税の基準値にはGSTと関税が含まれますが、そのほかに購入時に付随される金額(サービスプラン、延長保証、印紙税、登録など)は含まれません。

諸費用も免除の対象に
EVがFBT免税の対象になるということは、EVに関する諸費用(燃料費、保険、登録代、修繕・メインテナンス代)もFBT免税の対象となります。政府の試算によると、約$50,000相当のEVを提供した場合、法人雇用主は年間最大$9,000の恩恵を受けることができるとされています。

なお、EVのFBT免除は、雇用主が従業員に車を提供する場合にのみ適用されます。パートナーシップのパートナーや個人事業主は、その事業の従業員ではないので、免税の恩恵を受けることはできません。トラストの受益者や会社の株主については、その事業の従業員や取締役という立場での給付を受けていれば、FBT免除の対象となります。
また、FBT免税対象は、「自動車に限定されます。バンなどほかの車両は除外されています。自動車とは、積載重量が1トン未満で、乗車人数が9人未満の自動車(四輪駆動車を含む)と定義されています。

本記事が皆さんの眼に触れる頃には、この法案は可決されているかもしれません。

 

 Logoブリース洋子公認会計士事務所   Yoko BrieseCPA LOGO
YOKO BRIESE ACCOUNTING & BUSINESS SERVICES


T: + 61 7 5667 9245 W: ybabs.com.au
E: info@ybabs.com.au
本社: 2204/5 Lawson St, Southport QLD 4215
メルボルン支店: Level 5, 171 Collins Street, Melbourne VIC 3000 完全予約制

 本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
これをもとに生じた金銭、資産に対する損害に関しては、一切お受け致し兼ねます。