
Fringe Benefit Taxを考慮する
まず、経費で落ちるのかを考えると同時に、オーストラリアでは、Fringe Benefit Tax(FBT)という税金のことを考慮する必要があります。FBTは、従業員やその家族に、「給与やボーナスなど所得申告に含まれる現金」以外の形で支給するベネフィットに対して、雇用主に課せられる連邦政府の税金です。税率は、課税所得として算出したベネフィットに対して47%となります。
<パーティ―の場合>
パーティーについては、基本的には、「娯楽/ベネフィット」と見なされるため、FBTの対象となりますが、次の場合は、例外となります。
1) 職場で、就労時間内に、現在の従業員に飲食が支給されるパーティーの場合(金額に上限なし)。
2) レストランやホテルなど、職場の外で、従業員やその家族一人頭$300未満(GST込み)でパーティーが開催される場合。
1)と2)のどちらの場合でも、FBTの対象にはなりませんが、経費とすることができないことにご注意下さい。
また、2)の場合、一人頭$300以上である場合は、FBTの対象となりますが、FBTを納税するということであれば、経費となります。
<プレゼントの場合>
クリスマスプレゼントについては、パーティーのような「娯楽的要素」があるか否かで、扱いが変わってきます。「娯楽的要素がないプレゼント」とは、クリスマスハンパー(ワイン、チョコレート、ビスケットなど、おいしい物の詰め合わせ)、花、チョコレート、デパートのお買物券など、「物」ということになります。一方、「娯楽的要素がある」プレゼントとは、食事券、映画チケット、スポーツ観戦のチケット、ホテル宿泊券などです。FBTと経費の考え方は、下記のようになります。
3) 従業員やその家族に「娯楽的要素がある」プレゼントを、一人頭$300未満提供する場合は、FBTの対象にはなりませんが、経費としても扱われません。$300以上である場合は、FBTの対象となり、経費として扱われます。
4) 従業員やその家族に「娯楽的要素がない」プレゼントを、一人頭$300未満提供する場合は、FBTの対象になりませんし、経費として扱うことができます。しかし、$300以上になると、FBTの対象となり、経費としても扱われます。
5) 顧客や取引先に「娯楽的要素がある」プレゼントを提供する場合は、金額に関係なくFBTの対象にはなりませんが、経費にもなりません。
6) 顧客や取引先に「娯楽的要素がない」プレゼントを提供する場合は、金額に関係なくFBTの対象になりませんし、経費として扱うことができます。
大変複雑なルールだと言えます。何かで従業員に感謝を伝えたいが、ビジネスの経費にしたい、余計な税金は支払いたくないということであれば、一人頭$300未満の「娯楽的要素がない」プレゼントを贈るということでしょうか...。
ブリース洋子公認会計士事務所
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