わかりやすいビザのおはなし

ビザの問題解決します。ビザ・法律スペシャリストのAndy Ellenが分りやすく解説。

オーストラリア政府、移民削減に向けた制度変更を発表(2026年10月)- わかりやすいビザのおはなし
 
オーストラリア政府、移民削減に向けた制度改革を発表
わかりやすいビザのおはなし オーストラリアのトニー・バーク内務大臣は、2026年9月17日、純海外移住者数(NOM:Net Overseas Migration)の抑制に向けた一連の移民制度改革を発表しました。
各措置は段階的に実施される予定です。

NOMとは、海外との人の移動による人口の純増減を示す指標です。原則として、入国後16か月間に通算12か月以上オーストラリアに滞在する人を人口に加え、出国後16か月間に通算12か月以上国外に滞在する人を人口から差し引いて算出します。

政府は、予算で示した2026~27年度24万5,000人、2027~28年度22万5,000人というNOMの予測値に沿うよう、制度改革を進める方針です。

バーク大臣は、移民をより適切に管理する必要がある一方で、医療、介護、建設などの分野で必要とされる労働者を、引き続きオーストラリアに呼び込めるようにすることも重要だと述べました。

発表された主な改革方針

◆ 留学生および卒業生

  • 学生ビザおよび卒業生ビザについて、家族を扶養家族(ディペンダント)として帯同させることを原則として制限する方針です。
  • 政府は、すでに家族を帯同してオーストラリア国内に滞在している人について、この変更によって家族を引き離すことはしないと説明しています。
  • 太平洋諸島諸国やASEAN諸国からの学生、博士課程の学生など、一部のグループには例外を設けるとしています。
  • コースを変更する場合には、新たなビザ申請を求める方針です。また、コース修了後に引き続き学生として滞在する場合は、原則として、より上位の資格につながるコースへの進学を認める方針です。

◆ ワーキングホリデービザ

  • 2年目および3年目のワーキングホリデービザを希望する人を対象に、抽選制度(バロット)を導入する方針です。
  • 抽選への参加には、原則として、これまでと同様に地方地域での指定労働など、既存の就労要件を満たす必要があるとしています。
  • 発表では、2年目の枠を年間4万5,000人、3年目の枠を年間5,000人とする方針が示されました。
  • 英国との自由貿易協定に基づく特例があるため、英国籍の人には異なる取り扱いがあります。

◆ 観光ビザ

  • 今後発給する観光ビザに、No Further Stay(オーストラリア国内での別のビザ申請を原則として制限する条件)を付す方針です。
  • この条件が付された場合、例外に該当する場合を除き、別のビザを申請するにはオーストラリアを出国する必要があります。
  • バーク大臣は、今後発給するビザの条件に関する変更であり、すでにオーストラリア国内に滞在している人には影響しないと説明しています。
  • 保護ビザの申請は例外として認められます。

◆ 技能移民

  • 技能移民を対象としたポイント制を見直す方針です。
  • 特に住宅建設分野の職業技能資格については、新しいポイント制で、大学の資格と同等のポイントを付与する方針です。
  • ビザ審査の優先順位についても、建設、農業、水産業、資源、教育など、主要分野で必要とされる職種を重視する方針です。

◆ 保護ビザ

  • 政府は、正当な根拠のない保護ビザ申請への対策を進めたい考えです。ただし、追加の対策には法律の改正が必要だとしています。
  • 今回の発表では、保護ビザ申請が却下された人の就労権を一律に取り消す措置は発表されませんでした。

◆ 配偶者ビザ・家族ビザ

  • 今回の発表では、配偶者ビザの審査期間を短縮する具体策は示されませんでした。一方、バーク大臣は、観光ビザの条件変更により、配偶者ビザの審査を待つ間の家族の訪問を認めやすくする考えを示しました。

◆ 法令遵守とビザの期限超過

  • 有効なビザを持たずにオーストラリアに滞在し続ける人に対して、取り締まりを強化する方針です。
  • コンプライアンス担当職員を100人増員し、移民収容施設の収容枠を250人分増設する方針が示されました。
  • また、申請に正当な根拠がないと認識しながら、その申請を支援する移民エージェントに対しても、規制を強化する方針です。
  • さらに、犯罪や憎悪行為などへの対応に関する規則を見直し、子どもや家庭内暴力の被害者の保護を強化する方針です。

◆ 海外との人の移動による人口増減
オーストラリア統計局(ABS)が2026年9月17日に発表した統計によると、2026年3月までの1年間の純海外移住者数(NOM)は29万2,100人でした。これは、前年同期の30万9,500人から減少しています。
同じ期間に、オーストラリアの人口は39万2,700人増加し、約2,790万人となりました。人口増加には、NOMに加えて出生数から死亡数を差し引いた自然増も含まれます。

まとめ

今回の改革方針は、一時滞在者の家族帯同や滞在期間の延長、制度の趣旨に沿わないビザの切り替えに対する管理を強化するものです。一方で、オーストラリアが必要とする技能や専門知識を持つ人々については、引き続き受け入れる方針です。
政府は、海外からの移住による人口増加を抑制しながら、国内の労働力不足にも対応しようとしています。

※ 本記事は、2026年9月17日の政府発表と関連する公式資料に基づくものです。各措置の開始時期や適用条件は異なるため、申請・渡航の前に、内務省の最新情報や専門家への相談を通じて確認してください。

ビザ申請についての具体的なご相談は、Aitken Partnersまでお問い合わせください。

 

Andy Ellen Aitken PartnersAndy Ellen【アンディ・エレン】
(Registered Migration Agent, MARN 0962018)
Aitken Partnersのシニア移住コンサルタント。
ビザ、法律に関するご相談に経験豊富なスペシャリストが対応します。
E: aellen@aitken.com.au(英語 / 日本語)
W: www.aitken.com.au
T: 03-8583-7070
Level 28, 140 William St, Melbourne