もっと教えて 会計・税務のこと

タックスリターン、個人経営、起業・ビジネス、投資など、お金のことならお任せ。

スーパーアニュエーションのお得な話 (2022年5月)- もっと教えて 会計・税務のこと

もっと教えて会計・税務のこと

スーパーアニュエーションのお得な話
 
個人納税者とビジネスの納税者とでは、節税のオプションが異なります。通常は、個人の納税者、しかもその人の主な収入源が給与である場合には、経費となる費用は限られてきます。そんな中でもできる節税対策として、今回は、スーパーアニュエーションの積立についてご案内します。

スーパーアニュエーションで積み立てる方法
大きく分けて以下の二通りとなります。

1) 支払った人の節税になる積み立て方(Before TaxまたはConcessional Contribution)
2) 直接節税にはならない積み立て方(After TaxまたはNon-Concessional Contribution)

1)の目的で積み立てる額の上限は、2022年度は年間で$27,500です。雇用主が従業員の給与の10%(2022年7月からは10.5%)を積み立てるSuperannuation Guarantee(SG)は、まさにこの方法となります。SGの場合、節税できるのは、ここでは実際に支払いをする雇用主となります。個人として節税にするには、サラリーサクリファイスと言う、いわゆる給与からの天引き方法が有効です。スーパーに積み立てた分、給与が減るので、課税所得も減るという考え方です。

例えば、SGが年間で$6,000、サラリーサクリファイスが$5,000である場合、合計で$11,000が、節税の目的で積み立てられたことになります。一人頭の年間の上限が$27,500ですから、差額の$16,500までを節税目的で更に積み立てることができます。 そこで登場するのが2)の「直接は節税にならない積み立て方法」です。ファンドにAfter Tax またはNon-Concessional Contributionとして6月30日までに積み立てます。この上限は、年間で$110,000です。とにかく6月30日までに、この方法で積み立てをしておき、タックスリターンの際に、積み立てた金額のうち、先ほどの例ですと、$16,500を節税対策に使いたいという手続きをします(A notice of intent to claim or vary a deduction for personal contributionsというフォームをタックスリターン申告前にファンドに提出し認められなければいけません)。そして、タックスリターンで、$16,500を経費として申告することで、節税が実現します。

1)の目的で積み立てたスーパーは、ファンドにおいて、15%の源泉徴収税が差し引かれます。従って、この方法で節税をするのに適しているのは、課税所得が$45,000以上の納税者です($45,000以上の所得には、医療税込みで34.5%の課税がされるため)。
なお、2)の方法で積み立てたスーパーには、まったく課税されません。先の例の場合、経費として使った$16,500には15%がファンドで課税され、残り$93,500($110,000-$16,500)にはまったく税金か掛かりません。

ただ、年間の所得と、積み立てたスーパーの合計額が$250,000以上になると、積み立てたスーパーに更に15%が課税されます。結果、30%の税金が積み立てたスーパーに掛かります。それでも、$180,000以上の所得には47%の所得税が掛かりますから、まだお得ではありますが、知らないと査定書が届いた時に驚いてしまうので注意しましょう。

ほかにも方法があります
ここまでスーパーによる節税をご案内しましたが、このほかにもスーパーを賢く活用することでお得になる方法を二つご紹介します。

Government Co-Contribution
Government Co-Contributionとは、一定の条件を満たすと、政府が皆さんのスーパーファンドにスーパーを積み立ててくれる制度です。2022年度については、課税所得が$56,112以下で、前述の2)の方法でスーパーファンドに積み立てをした場合、政府がその人のファンド口座に最大$500まで積み立ててくれます。政府が積み立てる金額は、その人の収入と積立額によって異なります。例えば、所得が$41,112未満で、$1,000を積み立てると、$500を政府が自動的に積み立ててくれます。詳細は以下の表をご参照下さい。

積立額の金額
  $1,000 $500
所得 Government Co Contributionの額
$41,112まで $500 $250
$44,112 $400 $250
$47,112 $300 $250
$50,112 $200 $200
$53,112 $100 $100
$56,112 以上 - -

Spouse Contribution
就労していない、または低所得のパートナーのために $3,000 までのスーパーを積み立てることにより、積み立てた本人が18%の税金控除を受けることができます。配偶者の所得が$37,000以下であれば、最大の$540の税金控除となります。

なお、Government Co-ContributionもSpouse Contributionも、積み立てる人や配偶者の税金上の居住地やファンドに積み立てられたスーパーの残高といった条件があるので、詳細については、会計士にご相談下さい。

 

 

 Logoブリース洋子公認会計士事務所   Yoko BrieseCPA LOGO
YOKO BRIESE ACCOUNTING & BUSINESS SERVICES


T: + 61 7 5667 9245 W: ybabs.com.au
E: info@ybabs.com.au
本社: 2204/5 Lawson St, Southport QLD 4215
メルボルン支店: Level 5, 171 Collins Street, Melbourne VIC 3000 完全予約制

 本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
これをもとに生じた金銭、資産に対する損害に関しては、一切お受け致し兼ねます。