専門医 (Specialist) とは?

オーストラリアでは、緊急の重症で直接救急外来 (Emergency) に行くのではない限り、病気やけがをしたら、まずGP (一般開業医) を受診します。そして必要であれば、GPから専門医 (Specialist) へ紹介をされることになります。専門医への受診には必ずGPからの紹介状が必要です。
 

専門医は一般外科、胸部外科、整形外科、一般内科、小児科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、形成外科、精神科、胃腸科、泌尿器科、神経科、ア レルギー科、血液専門科、内分泌科、腫瘍科など様々です。更に整形外科には、手、膝、肩、人工関節置換の専門などがあります。小児科には、小児呼吸器、小 児の発達や行動の問題、自閉症、小児胃腸科や小児神経科、小児心臓外科、小児アレルギー科など、それぞれの専門医は、更にその専門分野で分類されていま す。
 

専門医では、GPでは受けられない専門的な診断・治療が可能で、個人、または複数の専門医で診療室を持っており、電話で予約を取って受診します。入院や手術が必要な場合、その専門医が登録している私立もしくは公立病院の中から選択し、予約を取ることになります。

GPで「早急に専門医に見てもらった方がいい」ということでない限り (そういう場合はたいていGPが直接専門医に電話して交渉し、予約を取ってくれます)、予約が取れるまでに2~4週間、またはそれ以上かかることは、珍しくありません。

診断が不満なときや複数の医師による診断を望む場合は、GPに事情を話して別の専門医を紹介してもらいます。
 

また複数の疾患を併発した場合、日本と比べると負担のかかるシステムになっています。例えば、膀胱ガンと診断され、泌尿器科の専門医にかかり治療を 受けていたが、心不全を併発した為、更に循環器の専門医にかかることになった、そして血糖値もやや高いので内分泌科の専門医に糖尿病の面で診てもらわない といけなくなる…といった具合です。入院していれば、病室にドクターが来てくれますが、そうでなければ、自宅からそれぞれの専門医を受診することになって しまうのです。
 

こうしてみると、面倒くさいシステムだと思われがちですが、全てを完全分業にし、公的の医療サービスと民間の医療サービスを混合させているのが、 オーストラリアの医療システムです。日本と比べて、それぞれ利点、欠点があるかと思いますが、医療レベルは先進国として劣っていないので、安心して受診し てください。