「海外経験を未来のキャリアにつなげる」
― メルボルン総領事館で足利弥生氏が講演 ―
在メルボルン日本国総領事館で7月1日、留学生やワーキングホリデーでメルボルンに滞在する日本人を対象に、「今後のキャリア」をテーマとした講演会が開催された。
講師を務めたのは、AOMビザコンサルティング代表の足利弥生氏。
元在日オーストラリア大使館のビザ審査官として約9年間勤務し、現在は学生ビザから企業の就労ビザまで幅広くサポートしている日豪ビジネスの第一線で活躍する専門家だ。
冒頭、古谷総領事は、「これまで労働法、医療、法律など様々なテーマでセミナーを開催してきたが、今回は若い世代の将来のキャリアについて考える機会にしたい」と挨拶。講演後には参加者同士が自由に交流できる時間も設けられた。
「なぜオーストラリアを選んだのか」を考える
講演は、
「Youは何しにオーストラリアへ?」
という問いかけから始まった。
「なぜオーストラリアを選んだのか。」
留学やワーキングホリデーはゴールではなくスタート。その目的を明確にすることが、その後のキャリア形成につながると足利氏は語った。
自身の経験から語るキャリア形成
音楽大学卒業という異色の経歴を持つ足利氏は、20代でニュージーランドへのワーキングホリデーに挑戦。
帰国後、その経験が評価されオーストラリア大使館のビザ審査官として採用されることになったという。
30代では慶應義塾大学法学部で学び直し、その後リーマン・ブラザーズ証券へ転職。しかし、世界金融危機によるリーマン・ショックを経験し、自らの進むべき道を改めて考えることになった。
40代では独立し、AOMビザコンサルティングを設立。元同僚や専門家とのネットワークを活かしながら、現在の日豪ビジネスへとつながっていった経緯を紹介した。
日豪関係は「過去最高のパートナーシップ」
講演では、現在の日豪関係についても紹介された。
足利氏は、
- 日豪友好協力基本条約締結50周年
- 日本はオーストラリアにとって重要な資源輸出国
- 日本企業による対豪投資はアメリカに次ぐ規模
- 防衛分野でも両国の協力が進んでいる
などを挙げ、
「今後、日豪ビジネスの架け橋となる若い人材がますます必要になる」
と強調した。
オーストラリア滞在中にできること
足利氏は、滞在中にぜひ意識してほしいこととして、
- 英語力を高める
- ネットワークを広げる
- 日豪ビジネスの情報を集める
- インターンシップやボランティアへ積極的に参加する
ことを挙げた。
「ワーキングホリデーや留学には期限があります。時間を無駄にせず、自分の目的を明確にして行動することが大切です。」
と参加者へエールを送った。
ネットワークづくりの重要性
講演では、日豪ビジネスに関心を持つ若手向けコミュニティ
「Nichigo Young Professionals(NYP)」や、
「Australia Japan Business Women's Network(AJBWN)」
も紹介された。
海外では就職活動以上に人とのつながりが重要になるケースも多く、
LinkedInを活用したネットワークづくり
の重要性も説明された。
活発な質疑応答と交流会
講演後は質疑応答が行われ、
- 海外と日本で働くことの違い
- ワーキングホリデー経験をどう就職に活かすか
- オーストラリアでのキャリア形成
などについて活発な意見交換が行われた。
講演会の最後には、足利氏の著書『海外移住は人生や社会にイノベーションを起こす』をプレゼントするじゃんけん大会が行われ、勝ち残った2人に足利氏から著書が手渡された。会場は大いに盛り上がり、講演後も参加者同士が交流を続けるなど、充実したイベントとなった。
その後の交流会では、長年メルボルンで活躍するビジネス関係者や移住者から実体験が紹介され、参加者は将来のキャリアについて具体的なアドバイスを受ける貴重な機会となった。

