一般的に治安が良いとされるオーストラリア・ビクトリア州。
しかし「日本を除く先進国の中では比較的安全」というだけで、決して安全とは言えません。そこで、在メルボルン日本国総領事館が邦人滞在者に向け発信している『安全な生活のために』( 2023年度版・2025年度版 ) を中心に、生活にまつわるトラブル、防犯についての情報を抜粋し、皆さんにお届けします。


1. Facebookやインスタグラムを通じてオンライン・在宅でできる仕事とうたう求人情報(日・英文)が掲載されており、同求人情報に掲載されている連絡先に個別に連絡すると、先方から、勤務内容は「オンライン上の旅行のプロモーション活動」や「ショップのレビュー投稿」と説明され、続いて、ウェブサイトに登録、仮想通貨アプリをダウンロード、仮想通貨で同ウェブサイトに課金するよう指示されます。
2. この詐欺は、被害者が課金を通じて、ウェブサイト上に表示される旅行ツアー情報の画面をクリックすると、初回は課金した金額の数倍の金額が被害者に振り込まれ、被害者に仮想通貨で利益が戻りますが、そのまま続けると、次の対価を得るまでの課金が膨大な額になるため、結局課金を続けることができなくなり(したがって対価も戻ってこない)、損失を被る仕組みとなっています。被害額は、1人当たり数十万~数百万円にのぼります。
3. この他にも、SNS上に掲載されていた求人情報、賃貸物件を巡る詐欺被害などが発生しています。
こうした被害に遭わないように、次の点に御注意ください。
○インターネット、SNSなどのツールは便利な反面、リスクもあることを忘れずに利用してください。
○連絡先や所在地、他の利用者の評価など、相手方(事業者・個人)の情報を自分でしっかりと確認する。
○一般的に判断して、過度に安価(高価)であったり、好条件であったり、支払い期限がいたずらに短くこちらに考える猶予を与えないなど、詐欺の可能性がないか十分に注意する。
○金銭の支払いを伴う場合は、支払う前に今一度、信頼するに足る相手なのか、支払う必要性のあるものか、妥当な金額か等を考慮し、少しでも不審点・疑問点があれば明らかにした上で対処する。
○万が一の場合に備えて、相手の情報、取引等やりとりのメールなどを保存しておく。
○ネット上での個人取引は、トラブルを避けるためにも利用しない。
○オンライン詐欺被害に遭った場合又は被害が疑われる場合は、Australian Cyber Security Centre (ACSC) に被害届けをしてください。