ビザ申請料金の値上げ - 背景と影響
ビザ申請料金が改訂され、2025年7月1日以降に提出されたすべてのビザ申請に新しい申請料金が適用されます。
今回は、オーストラリアのビザ申請料金の変更内容と、それがビザ申請・スポンサー申請を検討中の雇用主や個人の方々にとって何を意味するのかを、わかりやすく解説します。
なぜ申請料が上がったのか?
今回のビザ申請料金の値上げについて政府は主に「インフレ」と「コスト回収」を理由に挙げていますが、背景には次のような流れがあります:
◇ 監視と取り締まりの強化
政府による雇用主監査や自動警告システムなどのコンプライアンス対策への予算が増加しています。
◇ 申請者、スポンサーへの負担増加
審査にかかる事務的コストの一部を、申請者自身が負担する「利用者負担型」モデルにシフトしています。
◇ 戦略的な価格設定
費用の引き上げにより、準備の不十分な申請や不正目的の申請を抑制する目的もあります。
雇用主への影響
◇ スポンサー費用の増加
今回の料金改定でビジネススポンサービザ(サブクラス482)は申請ごとに85ドルの値上げ、永住ENSビザ(サブクラス186)は145ドルの値上げになりました。ビザ申請者本人だけでなく、扶養家族の申請料にも影響があります。複数の外国人労働者の雇用や定期的な採用を行っている企業にとっては、負担が大きくなる可能性があります。
◇ 契約・予算管理の見直し
ビザ費用を企業側で負担している場合や、契約書・企業協定書・調達関連文書にビザ申請料金を明記している場合は、内容の更新が必要です。
◇ コンプライアンス意識の重要性
アルバニージー政権は、移民コンプライアンス強化のために5,000万ドルを追加投入することを発表しています。これは、雇用主にとって移民法順守の重要性を改めて認識すべきサインですので最新の制度変更には常に注意を払う必要があります。
個人への影響
◇ 経済的負担の増加
パートナービザ(サブクラス820/801)は現在9,365ドルと、ビザ申請料金の中でも最高額クラスです。学生ビザや卒業生ビザも値上げされ、特に扶養家族がいる場合には経済的な負担が増加します。
◇ 全体的なコストアップ
ビザ申請料金だけでなく、申請に必要な証明書類、試験等にかかる全体的な費用が増加しており、負担が大きくなっています。
各ビザの新しい申請料金は内務省のウェブサイトFees and charges for visasから確認できます。
Kabo Lawyersでは、企業スポンサーと個人申請者の両方に対して、ビザ戦略の立案、スポンサーのコンプライアンス管理、リスク回避などの多角的なサポートを行っています。
ビザに関するご相談はKabo Lawyersまでお問い合わせください。
Andy Ellen【 アンディ・エレン】
(Registered Migration Agent, MARN 0962018)
KABO LAWYERS (カボー法律事務所)のシニア移住コンサルタント。
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