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柴田歯科医院 
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●オーストラリア-子供の歯科事情●

さて、前回はオイルプリングのお話をさせていただきましたが、挑戦していただけた方はいらっしゃいますでしょうか?

以前オイルプリングを毎日欠かさず行っていたナースによると、慣れるまでに少し時間がかかると言う事ですので、オイルプリングを始めた方は根気よく続けてみてください。

何事も諦めない気持ちが大事です!

さて、今週は小児歯科(Children’s Dentistry/Paediatric Dentistryに関してお話をしようと思います。

 

皆様、オーストラリアでは小児歯科に関しては子供専門の小児専門歯科医院(Paediatric Dentistry)、そして大人と一緒に通える歯科医院(General Dentalの二種類があるのはご存知でしたか?

 


基本的な治療の流れ

歯科医院への受診

オーストラリアではまずご家族が通っている歯科医院、又はお近くの歯科医院へとお子さんを受診をする必要があります。
そこで歯科医師が専門医への紹介をする必要があると判断した場合、小児専門歯科医院へとお子さんを受診する事になるのです。

小児専門歯科医院とは、通常の歯科医院では治療が難しいと判断された216 歳児の治療を、最先端の技術を使い治療を施す専門医院の事です。
ビクトリア州では小さいお子さんの過剰歯、歯根管治療などの複雑な治療が必要がとされる場合、又障害を抱えているお子さんのために、設備の整った小児専門歯科医へと紹介するのが一般的とされています。

尚、オーストラリアでは小さい子供を押さえつけての治療は行っておらず、暴れてしまうために治療が難しい場合、専門医の元で全身麻酔の治療を行う形となります。

 

 

 
紹介状

かかりつけの医師から小児専門歯科医院を紹介される際、既に通っている歯科医院付近の小児専門歯科医院へと紹介されます。
その際に、御自身で家から近い小児専門歯科医院を知っている、又は友達から勧められた小児専門歯科医院があるなど、他の医院の紹介状が必要な際には、事前に歯科医師へと伝えておくか、又は後日受付に連絡を入れるなどして、希望している小児専門歯科医院までの紹介状を書いてもらうようにしましょう。



 

さて、小さいお子さんの歯科治療の流れはご理解していただけましたでしょうか?

それでは次に、子供の歯に関してどんなオーラルケアが虫歯予防へと繋がるのかを見ていきましょう。

 

 

 

 

子供の虫歯予防とオーラルケア
 

数年前に掲載させていただいている記事「子供の歯について」では赤ちゃんの頃からオーラルケアを始める事の大切さをご説明させていただいておりますが、上記の記事をまだご覧いただいていないお子さんのいらっしゃるお母さんやお父さんは、いつから子供の歯のオーラルケアを始めたらいいかご存知ですか?

 

「歯が生え揃ってから?」

                 「永久歯が生え始めてから?」


    「え?もしかして生まれて直ぐから?」

 

そうなんです。まだ歯茎の状態なのでオーラルケアは必要とされていないだろう、と思われがちですが、子供の歯のケアは、生まれてから直ぐにでも、心掛ける必要があるのです。

 

それでは何を守ればいいか、少しまとめてみましょう。(詳しくは「子供の歯について」の記事をご参照下さい)

 

0-1歳:

●乳歯が生え揃うまで、ほ乳瓶に砂糖や蜂蜜を含んだ飲料や酸性度の強い飲料は入れない事。

●乳歯が生えてきたら、食後には湿らせたガーゼなどで歯と歯肉をふいてあげましょう。

●前歯が生えた際には、お母さんやお父さんに歯磨きをしてもらうという習慣をつけましょう。

●なるべく大人が使った食器やスプーンなどを使用しないように気をつけましょう。大人の口の中にいる細菌が赤ちゃんに移り、虫歯の原因となります。(ご参照:妊娠中と出産後の歯の健康

 

2-3歳:

●乳歯が生え揃う頃、子供自身が「歯磨き」をスタートするのに最も最適な時期となります。又、お子さんが歯磨きをした後は、必ず大人が仕上げを行いましょう。(※89歳頃までは続けましょう)

この頃からデンタルフロスを使い、歯と歯の隙間もきちんと清潔にしておくことを心掛ける事が、虫歯予防へと繋がります。

 

○正しい歯の磨き方        

 ○歯について知ろう       

 ○歯に良い食事               

 ○歯に良い食習慣

 

永久歯より乳歯は脆く、虫歯になってしまうと広がるのがとても早いので、食後やスイーツ(果物含む)を食べた後には必ず歯磨きをする習慣をつけておくのがベストです。

 

 


Q.乳歯の虫歯は、永久歯が生えてくるんだから放置してても大丈夫?

 

さて、永久歯が生えてくるから乳歯が虫歯原因で抜けてしまったり、虫歯が出来ていても放置していい、と言うのは間違った知識です。

 

乳歯が生えてくる生後5-6ヵ月頃には、顎の骨の中に永久歯がスタンバイしています。
虫歯を放置してしまうと、抜け替わる順番を狂わせ、歯並びを乱すだけではなく、乳歯の虫歯菌が永久歯に移り、新しく生えてきた永久歯が既に『虫歯』となった状態で生えて来てしまう可能性もあります。

又、歯茎の炎症を起こしたり、子供の頃から歯周病になってしまう可能性もあるのです。

 

親の目からは歯に何の問題がないとしても、3歳~4歳のうちに一度歯科医院へ受診される事をお勧めします。

 

では、上記の情報を踏まえた上で、今オーストラリアの小児歯科事情がどんなものか、少し覗いてみましょう。

 

オーストラリアの小児歯科事情

 

2015年~2016年サウスオーストラリア州では、03歳までの歯科患者が病院で全身麻酔の治療を必要とされるケースが630もあったと言う統計が発表されています。
全身麻酔が必要とされる理由としては、通常の歯科医院で部分麻酔を使い治療を施す事が年齢的に難しいからとなります。

日々進歩している医療技術やインターネットでの情報が発達してきたこの現代で、年々小さい子供達の治療が増え、10年前と比べると全身麻酔を必要とされる08歳の患者数が55%も増していると言うのはおかしいですよね。(※オーストラリア国内の統計)
食生活も豊富になり、子供に好かれるスナック菓子や飲料水がお手ごろに手に入る世の中となった事も原因の一つではありますが、正しい知識での歯磨きや歯科検診、そして歯科治療を怠ったことがやはり一番の原因とされています。

子供に歯磨きを任せる事は、子供達に自信をつけるという面ではいいかも知れませんが、歯の健康を保つためには、必ず親が89歳までは手助けをする必要があるのです。

 

又、2015年には、オーストラリアで63千人以上もの子供が麻酔のいる歯科治療を受ける必要があったという統計が発表されました。

 

その中でも実例として取り上げられていた3歳のB君は、全ての乳歯が酷い虫歯に冒され詰め物の治療を施す事ができず、病院で全身麻酔を行い、全乳歯を抜歯という結果となりました。

永久歯が生え揃うのは(親知らずを除いて)13歳前後となりますので、B君は永久歯が生え揃うまで歯がない状態で生活をしなければなりません。

 

なぜ?入れ歯をするべきじゃないの?

 

大人と比べ、子供の「入れ歯」は治療法とされておらず、その理由として、子供は成長期であり、顎の骨や、顔の骨などが発達している中、入れ歯を造ってもはまらなくなってしまう、又逆に成長を妨げる可能性があるとされているからです。

このように、全ての乳歯を抜歯せざるを得ない場合、永久歯が生えるまでは食事を摂る事にも気をつけ、しゃべり辛い生活を送らなければなりません。

 

そうなる前に、少しでも歯に関して疑問がある場合、一度歯科医師と相談をしてみる事をオススメします。

 

 

砂糖の減量!に関して

 

皆様は、砂糖が沢山含まれる飲料、特にフルーツジュースや炭酸水、グミやキャンディー、スナック菓子やチョコレートなどをどれくらい頻繁にお子さんへあげていますか?

特にグミ、ポテトチップスやクッキーなどは歯にくっ付きやすく、長時間砂糖の刺激を受ける事になります。(※炭水化物は糖に変わり、細菌の繁殖や酸化を促します)

 

コーラが駄目なら、

じゃあ・・・フルーツジュースは?

 
スナック菓子が駄目なら、

フルーツなら虫歯にもならないでしょ?

 

と思う方は多くいるかも知れませんが、身体にいいとされている果糖や蜂蜜も、砂糖と同じく虫歯になりやすい環境を作る原因となりますので、沢山摂取する事はオススメできません。

 

ではここで、一つ質問です。
 

 

皆さんは小さじ9杯分の砂糖を一気に食べるという事に対して、どう思いますか?

 

 


実際に考えてみると、一気に小さじ9杯もの砂糖を食べる事は不自然ですし、健康に悪そうですよね。


しかし、オーストラリアのスーパーマーケットにて販売されている某スポーツドリンク600mLには、36gの砂糖(約小さじ9杯分)が含まれているんです。
グラム計算をしてみると、「うーん」と一旦考えてしまいますが、目の前にスポーツドリンクが置いてあったら飲んでしまいますよね。

 

2015年に砂糖の摂りすぎを抑えることで、慢性疾患、虫歯、肥満、そして他の病気の予防につなげる目的とし、World Health Organization-WHO(世界保健機関)による人間の一日分の砂糖摂取の基準は下記と発表されています。

 

と言う事は…スポーツドリンクを一本飲んだだけで、男性は一日分の砂糖摂取完了!という事になりますよね?

又、女性やお子さんに関しては、一日の砂糖摂取量より多く摂る事になってしまいます。

この様に、砂糖が含まれている飲料や、蜂蜜を入れたお茶や、菓子パン、お惣菜や加工食品など、様々なところに潜んでいる砂糖が、虫歯に好かれやすい口腔環境をつくっていきます。

 

子供の歯の健康、そしてご自信の歯の健康を守るためにも食品のパッケージの「糖分」記載を確認する癖をつけると、今後の健康そして虫歯予防にも繋がって行きます。

 

「喉が渇いたなー」

 

と思う時は、パッケージ販売されているフルーツジュース、コーラやファンタなどの炭酸飲料ではなく、水やお茶でもいいかも、とは思いませんか?

 

このような少しの気配が、虫歯予防へと繋がっていくのです!

 

又、スナック菓子、フルーツやご飯を子供に与えるとするならば、一日の決めた時間帯にあげるようにする事で、間食防止にもなります。

 

歯に良い食事を心掛ける事も、虫歯予防への一歩へと繋がりますので、食事の取り方に関して気になる場合には、かかりつけの歯科医師と相談をしてみましょう。

 

 

自己管理

 

さて、虫歯は「病気」となりますが、自己管理をしていれば防ぐ事が出来る病気となります


これを機に飲食後、「歯磨き」を行うという習慣をお子さんと共につけるように心掛けてみてはいかがでしょうか?

 

又、子供のうちから「食後は歯磨き」の習慣を身に着けていれば、大人になってもそれを継続する可能性が高まります。

○正しい歯の磨き方
○電動歯ブラシについて

○歯について知ろう 


子供の頃から虫歯が多い場合、大人になってからも虫歯になりやすい食生活や私生活を送ってしまう可能性が高く、そのために小さい頃からオーラルケアの大切さを教えておく事が重要とされているのです。

 

 

最後に

今回は子供の歯科事情に関してとお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか。

お子さんやごご自身のオーラルケアに関して、不安点や質問がある場合には、お気軽にかかりつけの歯科医師と相談をされる事をオススメ致します。



関連記事: 

○子供の歯について                                          ○乳歯の歯根管治療について(Pulpotamy

○子供の指しゃぶりについて                              ○子供の歯科矯正について



 

 

 

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参考書目(英文)/Bibliography

The Advertiser, “Surging tooth decay causing more kids in hospital under general anaesthetics”, Brad Crouch, Medical Reporter, 18th July 2017 4:47pm, Viewed 2nd August 2017,

http://www.adelaidenow.com.au/lifestyle/parenting/surging-tooth-decay-causing-more-kids-in-hospital-under-general-anaesthetics/news-story/fed2afe723ae0ee0d6c597981bd931e8

Brisbane Times, “Energy drinks serving up excessive amounts of sugar and caffeine in one serve”, Lucy Cormack, 24thOctober 2016, viewed 2nd August 2017,

http://www.brisbanetimes.com.au/business/consumer-affairs/energy-drinks-serving-up-excessive-amounts-of-sugar-and-caffeine-in-one-serve-20161021-gs7vbg.html

News.Com.Au “The shocking truth about how much sugar you’re eating”. Emily Main, 3rd July 2015 9:10am, Viewed 2ndAugust 2017,

http://www.news.com.au/lifestyle/health/diet/the-shocking-truth-about-how-much-sugar-youre-eating/news-story/db7bb699d3ea766188fc6d5b1f0db3bf

Herald Sun, “Hidden sugar harms our children’s teeth and health”, Matthew Hopcraft, 12th September 2016 9:38pm, Viewed 3rd August 2017

https://www.ada.org.au/News-Media/News-and-Release/Latest-News/Hidden-sugar-harms-our-children%E2%80%99s-teeth-and-health/Hidden-sugar-harms-our-childrens-teeth-and-health