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メルボルン賃貸物件



                                 「修理対応」ってどうなってる?









          蛇口の水漏れ、ヒーターの故障… その修理、誰の責任?                                                自己負担になるケースに注意!
          メルボルンで賃貸物件に暮らしていると、設備の不具合や突然の故障に直面すること                                    以下のようなケースでは、修理費が入居者負担となる可能性があります:
          も珍しくありません。
          「これはオーナーが直すの? それとも自分で?」                                                   ・ 故意または過失による損傷
          そんな疑問を抱いたことはありませんか?                                                         (例:子どもが壁に穴を開けた、水をこぼして床材を傷めた など)
          ビクトリア州における住宅賃貸の基本的な修理対応ルールを、わかりやすくご紹介し                                    ・ 管理会社やオーナーに無断で業者を手配した場合
          ます。                                                                       ・ 修理が必要となったものが「残置物」であった場合

                                                                                    ※「残置物」とは、以前のテナントが所有権を放棄し、退去時に置き去りにした物品を
          修理は「緊急」と「通常」の2種類に分かれます                                                      指します。このような物については、物件のオーナーも不動産エージェントも所有権
                                                                                     を持っていないため、修理や交換の責任を負わない場合があります。まずは、必ず不
          ビクトリア州では、賃貸物件の修理対応は大きく以下の2種類に分類されます。                                        動産エージェントに連絡・相談しましょう。

          ■ 緊急修理(Urgent Repairs)
                                                                                    こんな時どうする? Q&A
          オーナーまたは不動産エージェントが速やかに対応すべきものです。
          以下のようなケースが該当します:                                                          Q. 真冬の夜にヒーターが壊れた!どうすれば?
                                                                                    A. 緊急修理に該当します。まず管理会社に電話を。連絡が取れない場合は、自分で
          ・ 温水器やヒーターの故障                                                                 業者を手配し、領収書を保存した上で後日オーナーに請求することが可能です。
          ・ 水漏れ・ガス漏れ
          ・ トイレの詰まりや使用不能                                                            Q. 2週間たっても修理されない…
          ・ 窓の破損など、安全性に関わる損傷
                                                                                    A. ビクトリア州の消費者保護機関「Consumer Affairs Victoria(CAV)」
          ・ エアコン(猛暑時)や暖房(極寒時)の故障                                                        に相談しましょう。公式の苦情申し立て(Repair Notice)も可能です。


            連絡がつかない場合は、入居者自身で修理業者を手配し、費用を大家に請求でき
            る場合もあります(※事前に写真やメッセージなどで証拠を残すことが重要です)。                                  編集後記
            ※契約時・入居時に確認しておくことを強くお勧めします。
                                                                                    契約書に基づいて正しく対応を求めても、思うように動いてもらえなかったり、然るべき
                                                                                    機関に相談しても状況が改善されなかったりと、
          ■ 通常修理(Non-Urgent Repairs)                                                時間だけが過ぎていき、出口が見えない……というケースも少なくありません。

          以下のような軽微な故障や損傷が該当します:                                                     ときには、長期にわたる話し合いや交渉が必要になったり、最終的に裁判に発展する
                                                                                    こともあります。
          ・ キッチンの戸棚の不具合
          ・ 網戸の破れ                                                                   とはいえ、オーストラリアでの滞在期間が限られている方にとっては、「問題解決にど
          ・ 家具付き物件に備え付けの洗濯機の不調                                                      れだけの時間と費用をかけるべきか」は悩ましいポイントです。

          この場合、通常は入居者の報告から14日以内に対応されることが原則とされています。                                  住まいに関するトラブルは、慣れない異国の地ではなおさら不安を感じるもの。です
                                                                                    が、基本的なルールや自分の権利を知っておくだけで、防げるトラブルも少なくありま
                                                                                    せん。
          修理依頼は「証拠を残す」のが基本!
          修理依頼は、電話だけでなく必ずメールや管理アプリ(例:PropertyMeなど)で記録                               無理に一人で抱え込まず、まずは不動産エージェントに丁寧に状況を伝え、必要であれ
          を残すことが大切です。                                                               ば、周囲の経験者や信頼できる機関に相談してみましょう。
          さらに、故障箇所の写真や動画を添付すれば、対応がスムーズになる可能性が高まり
          ます。                                                                       インターネット上には多くの情報があふれていますが、その中にはあいまいな情報が数
                                                                                    多く存在しています。あいまいな情報をどれだけ集めても、あいまいなまま。だからこそ、
                                                                                    信頼できるサイトや公的な情報源から、確かな情報を得ることが大切です。
            参考リンク
                                                                                    トラブルは誰にでも起こりうるもの。大切なのは、その後どう動くかです。自分の権利を
           【Consumer Affairs Victoria(賃貸関連全般)】
            https://www.consumer.vic.gov.au/housing/renting                         理解し、信頼できる情報とサポートを味方にしながら、心地よい、安心できる住まい環
                                                                                    境を整えていきましょう。
           【緊急・通常修理の定義と対応ガイド】
            https://www.consumer.vic.gov.au/housing/renting/repairs-alterations-safety-and-pets/repairs




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