Page 11 - Dengonnet Magazene 2025
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メルボルンAED事情 − もしもの時に備える









         AED(自動体外式除細動器)                                                             メルボルンでAEDを探すには

           AED(自動体外式除細動器)は、突                                                         オーストラリアでは、AEDの設置場所を探せる無料アプリやサイトが整備されていま
         然心臓が止まった人を救うための医                                                           す。
         療機器です。
           心臓がけいれん(心室細動)や、異                                                         GoodSAM Responder
         常に速く拍動する(無脈性心室頻拍)                                                          救急事案が発生した際、周囲の救命資格者とAEDの位置情報をマッチングするアプ
         ことで血液を送れなくなった際に、                                                           リです。救命活動を迅速に開始するための支援ツールとして、全国的に導入が進んで
         電気ショックで正常なリズムに戻し                                                           います。
         ます。

                                                                                    万が一のときはどうする?
         日本では当たり前、                                                                  1. 反応を確認
         でもオーストラリアは?
                                                                                    2. 助けを呼ぶ(000に通報)
           日本では駅やコンビニ、公共施設など、あらゆる場所にAEDが設置されています。
         しかし、メルボルンを含むオーストラリアでは設置の義務はなく、以下のような場所を                                    3. AEDを手配
         中心に設置が進んでいる段階です:                                                           4. 胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始
                                                                                    5. AEDが到着したら装着し、音声ガイダンスに従う
         ・ ショッピングセンター                                                               ※AEDが「ショック不要」と判断しても、胸骨圧迫を継続することが非常に重要です。
         ・ スーパー(Coles、Woolworths、ALDI、Bunnings Warehouse など)
         ・ スポーツジムやプール
         ・ 学校、大学、TAFE
         ・ 市役所やコミュニティセンター                                                              1                      2                     3
         ・ 大型スタジアム(MCG、Marvel Stadium)


         とはいえ、日本ほど「どこにでもある」という状況ではないため、「どこにAEDがある
         か」を日頃から把握しておくことが大切です。



         AEDがショックを与えるのはどんなとき?
           AEDは、心停止したすべての人にショックを与えるわけではありません。                                                     4                      5
         以下のような状態に対してのみ、ショックの必要性が判断されます:

         心室細動(VF)
         心室が小刻みに震え、血液を送り出せなくなる状態。


         無脈性心室頻拍(VT)
         心室が異常に速く拍動し、脈が感じられなくなる状態。

         一方、次のような場合はAEDが「ショック不要」と判断します:                                             救命講習を受けておこう

         ・ 完全に心臓が停止している(心静止)                                                          St John AmbulanceやRed Crossで
         ・ 電気信号はあるが脈がない(無脈性電気活動:PEA)                                                は、一般市民向けのCPR/AED講習を
                                                                                    定期的に開催しています。
                                                                                    万が一の場面で行動できるように、正
                                                                                    しい知識とスキルを身につけておくこ
                                                                                    とを強くおすすめします。




                                                                                    Dengon Net編集部より
                                                                                      AEDの設置は徐々に進んでいますが、まだ十分とは言えません。身近な場所にAEDが
                                                                                    あるかどうかを確認することが、あなた自身や大切な人の命を守る第一歩です。

                                                                                                                            (取材・文:Dengon Net 編集部)



                                                                                                                                                     11
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