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タックスリターンの リアでの申告の際は、日本での収入を含める必要はありません。

QA〈ハテナ〉を解決! 家の購入などで、親族から資金を貸してもらった場合も申告が必要ですか。
 借り入れは所得ではなく、また贈与された場合でも、オーストラリアには相続税はないので、
申告の必要はありません。どちらも銀行に預金するなどで発生した利子のみを申告します。注意
する点は、贈与された場合で、センターリンクなどの補助金を受けていた場合は適用条件を満た
さなくなる可能性があることです。また、借りた場合でも贈与を受けた場合でも、日本の親族側
は、生前贈与など相続税に該当する場合があります。詳しくは日本国税局のサイトまたは日本の
税理士にご確認下さい。

在宅ワークをしています。経費として何を申告できますか。 
 在宅の場合、仕事にかかわる費用の他にHome Office Expenseとしてホームオフィスの占有
面積に対して公共料金や家賃なども経費として申告できます(業務形態によります)。また、占有
面積などが分からなくても、労働時間1時間につき$0.34を申告することが可能です。

前ページに引き続き、実際に多いタックスリターンに関する質問に、 申告の対象となる経費の一例
森谷さんに答えてもらいました。19ページの連載記事もご覧下さい。 ●業務上車を使用。
●制服代(安全靴など安全性上必要なものや、会社のロゴマーク入りのもの)。

●業務上の交通費(通勤は除く)。

ワーキングホリデービザで5月から8月まで、会計年度をまたいで滞在しました。1年分にまと ●業務のための教育費や専門誌、文房具や工具の購入。

めて申告できますか。会計年度の途中で日本へ永久帰国する場合はどうすればいいですか。 ●自宅で仕事をした(週何時間程度かを記録しておく)。

 会計年度をまたぐ場合は2年分の申告が必要になります。5・6月分は今年度、7・8月分は次年度 ●私物コンピューターや携帯電話を業務で使用(割合に応じて計算)。

分の申請となります。オーストラリアを永久的に離れる場合は、通常申告(6月30日以降)を待た ●インカム・プロテクション保険の加入。

ずに帰国前に確定申告を終えることができます。オーストラリアでの最終的な収入を証明できる ●$2以上の募金。

ものがあれば(給与明細など)PAYG Payment Summaryの発行を待たなくても宣誓書を用意す

ることで申告可能です。  経費には日本円で購入したものも含めることができます。クレジットカードで購入した場合

は、ステートメントに豪ドルで表示されますし、日本円表記の領収書を翻訳し、為替レートを使っ

専業主婦の居住者で、収入が銀行利子$500のみでした。申告義務はありますか。また、申告す て計算すれば申告に使えます。また、日本で過去に購入したものでも、業務に使っている場合は控

れば利子の源泉徴収分が返ってくるのでしょうか。 除対象に含めることができます。例えば、数年前に日本でPCを購入し、働き始めてからそのPCを

 住居者で$18,200以下の収入の方は基本には申告義務はありません。但し、源泉徴収があった 残業などで自宅で使用した場合も控除対象になります。

場合は、申告することで源泉額全額が還付となりますので申告をお勧めしています。実際では、銀

行などの金融機関にタックスファイルナンバーを通知することで、投資所得からは源泉徴収され $1,200で購入したデスクトップを自宅での残業やリサーチに利用しています。利用割合はプ

ないので、純粋に$500の銀行利子のみの収入の場合は申告の必要はありません。 ライベート:仕事=8:2くらいです。経費の計算方法を教えて下さい。

 PCはデスクトップなら4年で、ラップトップなら3年で減価償却することになっており、そこに

ebayやヤフーオークションで得た収入は申告対象になりますか。 利用割合を掛けて計算します。上記の例の場合は$1,200÷4年×20%=$60となり、購入金額

 オンラインで物品やサービスを売る場合、それが事業になるのか、趣味の範疇に留まるのかを $1,200のうち$60ドルを今年度の経費に計上できます。他にもプリンタや電話、インターネット

きちんと見定める必要があります。趣味の範疇であれば申告の必要はありません。 の使用料も利用割合で計算するほか、電気光熱費として$0.34×労働時間を計上することができ

趣味:余暇時間にレクリエーションや楽しみのために行うアクティビティー。 ます。少しでも経費になるものがあれば申告することをお勧めします。

事業:利益を目的として、いくらかの投資や固定客を持ち、物品やサービスをコンスタントに販売。

 国税局(ATO)は上記のように定めています。また、事業に該当するものとして、オンラインビジ 経費を申告するには何が必要ですか。

ネスを設定・持続保持していることや定期的に物品やサービスを販売し、利益を得ている。または  購入した際のレシート、在宅ワークの人は勤務時間を記録したものが必要です。レシートは項

その意思があることなどが挙げられます。 目別にExcelなどで一覧表にまとめておきます(前ページの経費一覧表の項参照)。経費の証拠は

  申告から5年間は保存しておくことが義務付けられています。合計$300まではレシートがなく

オーストラリアに在住で、日本でも収入があります。どのように申告すればいいですか。 ても申告することができます。

 居住者の方は、日本とオーストラリアの両方で確定申告をする必要があります。その際、オース

トラリアの確定申告は全世界所得が対象となるので、オーストラリア国外で発生した所得も含め 副業で在宅ワークをしていますが、その分の収入は$500だけでした。経費は申告できますか。

て申告します。この国際的な二重課税を防ぐため、国外での所得と納税額を申告することで、オー  その収入に関する経費であれば申告できます。PCなどはビジネス:プライベートの使用割合に

ストラリアでの納税分から相殺することができます。非居住者の場合は、日本での収入を含める 応じて計算し、Home Office Expenseも計上することができます。

必要はありません。

オーストラリアで暮らしていましたが、日本帰国後、住民票も戻しています。オーストラリアで 個人事業主です。納税は年度末に一括で行えばよい 予定納税支払い時期 期日
は銀行預金利子と、家賃収入があります。オーストラリアでもタックスリターンは必要ですか。 のでしょうか。 第1四半期 7-9月 10月28日
 オーストラリアの税務上、オーストラリア国内で発生した所得については非居住者でも申告が  個人事業主(ABNで働くフリーランス)の場合は、給 第2四半期 10-12月
必要になります。但し、二重課税を防ぐため、オーストラリアでの所得と納税額を日本で申告する 与所得者のように給与からの天引きがないため、国税 第3四半期 1-3月 2月28日
ことによって、日本での納税分から相殺することができます。非居住者に当たるため、オーストラ 局が定めた一定金額を、右記のとおり事前に納税して 第4四半期 4-6月 4月28日
いきます。 7月28日

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