日焼け対策

オーストラリアは世界で最も紫外線の強い国の一つ。しっかり日焼け対策をして、夏を楽しみましょう!

日焼け対策 - 皮膚がん その1

日焼け対策 

澄みきった青い空に美しい海。せっかくオーストラリアに来たんだから、ビーチにスポーツにキャンプにと、アウトドアを満喫したいもの。でも、ちょっと待って。オーストラリアは紫外線の強い国で、世界で最も皮膚がんの発症率が高い国の一つ。うっかり素肌を太陽の下でさらしていたら、とんでもないことになってしまう…かも。そこで「日焼け対策」。しっかり日焼け予防をして、オーストラリアの夏をエンジョイしましょう。

● ● ● 皮膚がん〔Skin Cancer〕って何? ● ● ●

Skin Cancer毎年、約38万人が皮膚がん (Skin Cancer) の治療を受け、約1300人が亡くなっているオーストラリアは、世界で最も皮膚がんの発症率が高く、そのほとんどは紫外線のUVAとUVBが作用し合って引き起こします。
紫外線は細胞の遺伝子をこわし、異常な成長の原因となります。日焼けを繰り返して遺伝子が傷つき、身体本来の免疫システムが低下すると細胞に突然変異が起こり、これが皮膚がんとなります(私達の身体は、新しい細胞の作成、再生、交換をコントロールする遺伝子があり、がんはこの遺伝子の異常によって起きる病気です)。
表皮は(皮膚の外側部分)は3つの異なった細胞を含んでおり、皮膚がんはできた場所によって、次のように分けられます。

①基底細胞がん (Basel Cell Carcinoma)
一番多いが最も危険が少ない。頭、首、身体の上部にできやすく、赤、青白、真珠のような色で、こぶ状または乾燥、うろこ状になっている。潰瘍化または完治しない状態でゆっくりと大きくなる。

②有棘細胞がん (Squamous Cell Carcinoma)
日光によく当たる場所にできる。厚みがあり、赤いうろこ状のシミで出血しやすく、かさぶたまたは潰瘍化している。数ヶ月かけて大きくなる。50歳代以上の人に多い。
◇ 治療法
基底細胞がんと有棘細胞がんは、小さなものであればほとんどは簡単な外科手術で済み、極少なものであれば凍らせて除去する冷凍療法もある。ほかに特殊なキューレットで腫瘍を吸引、放射線治療、薬物投与による化学療法もあるが、これらのがんは治療によってば99%は治る。

③メラノサイトがん (Melanoma)
治療しないと転移する、もっとも危険性の高いがん。Common (or Superficial Spreading) Melanoma と Nodular Melanoma の2種類に分けられる。
・Common Melanoma あまり日光に当たらない場所にできる。新しくできるもの、または従来のシミの色や大きさ、形が変化してできるものがある。でこぼこしていて、輪郭がぼんやりし、色が混ざったもの。
・Nodular Melanoma 底部から盛り上がっている点と色(赤、ピンク、茶、黒など)がCommon Melanomaとは違う。触ると硬く、ドーム状になっており、しばらくすると出血してかさぶたになる。
◇ 治療法
外科手術のほか、放射線治療、薬物投与による化学療法。リンパ節への転移が疑われる場合は、組織検査が必要。一度Melanomaにかかると、繰り返す可能性があるので、手術のあとには定期検査が必要となる。

次回は、皮膚がん その2、皮膚がんになりやすい人の特徴などについてお話しします。

取材協力: The Cancer Council Victoria