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寒い季節を  寒くなると自然に手の甲をスリスリさすりますよね。手の甲の小指根元

温かく には、刺激すると体が温かくなるツボがあるんです。また、マフラーをする

過ごすための のは、首の後ろのツボをを冷やさないためなんですね。私達は、そうやって

ツボを 知らず知らずのうちにツボに触れています。8月ともなれば冬の寒さで体が
ご紹介
縮こまり動かさない。するとますます寒さが身に染みる。そんなことになり

そうです。そこで今回は身体を温め、冬を快適に過ごすためのツボをご紹

介。トラブルごとに刺激するツボが違うので、自分の身体と向き合い、探し

当てて下さいね。     (取材・まとめ/中 写・久)

取材協力: 浅原よしえ ちゅうどう鍼灸マッサージ主宰
日豪両国登録鍼灸師(東洋はり式鍼灸暦20年)・マッサージ師
※ちゅうどう鍼灸マッサージの詳細はfacebook.com/chudoclinic または

Dengon Net web classified サービス欄をご覧下さい。

参考: 戸ヶ崎正男著「思うツボ」(ヒューマンワールド社)

ツボ押しで自然治癒力を付ける の下に小さいツボが埋まっているようなイメージです。図-1 ツボの状態
を参照して下さい。元気のない時にツボのふたが緩むように
 病院へ行くまでもない、でもつらい冷え、肩こり、腰痛など してへこんでいるので分かります。 表皮
の症状は、誰しも少なからずあると思います。特に身体が冷え  ツボの状態は、その時の体調や症状によって変わるので毎
る冬は症状が悪化しがち…。血行の流れが悪いと冷たく感じ 日同じではありません。ツボのふたに触れると、時には冷た 図-1 身体が弱っている時 
ますし、皮膚も乾燥しがちでかゆくなったりたるんだりしま かったり熱っぽかったりすることもあります。そこをやさし
す。そんな時、ツボを見付け刺激することで不具合・不調を自 く押すことで中の方が硬かったり、フニャフニャしていたり 骨 ツボのふたが緩んで、
分で回復させることができます。 するのが分かります。深さや広さもまちまちです。また、押し
 今回は、寒い時期なので服を脱ぐ必要がなく、自分で簡単に 方によっては反射的に痛かったり、逆に気持ちが良くなった へこみができているような状態。
探せる手や足のツボの場所を写真に示しています。自分のツ りします。イタ気持ち良いと感じることもあるでしょう。
ボの場所を覚えておき、いつでもどこでもさすったり、マッ  鍼灸院ではこんなふうに緩んでいるツボに指圧、マッサー 表皮
サージをして温めたり、刺激しながら症状を軽減しましょう。 ジ、鍼、灸などを施して刺激を与え、症状を緩和したり体調を
手足の血行が良くなると身体全体の調子も良くなります。そ 整えたりします。自分でやるマッサージよりも直接ツボの深 図-2 健康な時 
うして少し元気になったら、運動も始められるようになり、相 部に働き掛けるので、自分でやっても回復しない人は悪化し
乗効果が見込めますね。健康な身体作りの元はツボ! といっ ないうちに相談すると良いでしょう。 骨 気がうまく流れていて、
ても過言ではないのです。  身体が元気な時は、図-2のように皮膚の表面には何も現れ
ません。 ツボのへこみができていない状態。
ツボってなあに?  図-3のように、ツボのふたが盛り上がっている時は触れな
くても痛みがあったり、炎症を起こしているのと同じ状態な 表皮
 まずはツボについて少しお勉強しましょう。 ので、刺激しないようにします。原因となっている病気やけが
 東洋医学ではツボを“経穴(けいけつ)”と言います。“経穴” の治療が必要、と知らせてくれている状態です。 図-3 身体にトラブルがある時
の俗語表現が“壺”であり、実際、ツボは“壺”のような形をして
いると考えられています。皮膚の表面にツボのふたがあり、そ 骨 ツボの表面が盛り上がっていて、

専門家に掛かった方が良い状態。

症状別ケアのツボ 陽陵泉(ようりょうせん)→ ふくらはぎ 関節痛 衝陽(しょうよう)→ 足の甲 寝つきを良くする
鼻のトラブル 《大人の場合》
飛陽(ひよう)→ ふくらはぎ 《肘が痛い時》 太淵(たいえん)→ 手首 多くのツボが集まっている耳を刺激
風邪 し ま す 。両 耳 全 体 を 包 む よ う に し て
冷え 腰痛 陽地(ようち)→ 手の甲 風門(ふうもん)→ 首の後ろ マッサージします。
大椎(だいつい)→ 首の後ろ 《子供の場合》
陽谷(ようこく)→ 手の甲 《背骨の辺りが痛い時》 通谷(つうこく)→ 足の甲 むくみ ふくらはぎ全体をマッサージしたり、
太淵(たいえん)→ 手首 ドライヤーなどの温風を当てて(近付
陽池(ようち)→ 手の甲 陽谷(ようこく)→ 手の甲 《膝が痛い時》 照海(しょうかい)→ 足首の内側 けすぎないように)温めます。

陽谿(ようけい)→ 手首 申脈(しんみゃく)→ 足の甲 陽谿(ようけい)→ 手首

三陽絡(さんようらく)→ 手の甲 《脇腹、左右どちらかに痛みがある時》 衝陽(しょうよう)→ 足の甲

至陰(しいん)→ 足の甲 内関(ないかん)→ 腕の内側 肩こり

通谷(つうこく)→ 足の甲 公孫(こうそん)→ 足首の内側 手三里(さんり)→ 腕

自分のツボを探そう 陽池(ようち) 太淵(たいえん)

陽谷(ようこく) 手の甲を立てた時にできる 手の平の親指付け根の延長
シワの上、小指と薬指の間下。 線 上 、手 首 の シ ワ の 下 。陽 谿
手の甲を立てた時にできる の裏側。
シワの上、小指の下外側。 手の甲・腕 陽谿(ようけい)
内関(ないかん)
三陽絡(さんようらく) 手の甲の親指付け根の延長
線上、手首のシワの下。 手首のシワから指3本分下。
手の甲を立てた時にできる
シワから指6本分下。腕の幅 手首・腕の内側
の真ん中あたり。
手三里(さんり)

肘を曲げた時にできる内側
のシワから指3本先。
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