わかりやすいビザのおはなし

ビザの問題解決します。ビザ・法律スペシャリストのAndy Ellenが分りやすく解説。

今後10年間の移民政策の展望(2024年2月)- わかりやすいビザのおはなし
 

Visa Title 今後10年間の移民政策の展望

COVID-19パンデミック以来、オーストラリアの移民プログラムは大きく変わりました。
昨年は、ビジネススポンサービザに対する最低賃金額が53,900ドルから70,000ドルに引き上げられました。一方で、Temporary Skills Shortage(TSS)ビザ保持者に対する永住権への道が拡張しました。また政府は、パンデミックへの対応として行われていた特別条件を取り消しました。
2023年12月11日、政府は今後10年間の移民計画を発表しました。今回はその概要をまとめます。まだ変更は実施されていませんが、今後のビザ取得や永住計画の参考になるかもしれません。

新しいビジネススポンサービザの導入
政府は、現行のビジネススポンサービザであるTSSビザを置き換えるビザ、Skill in Demand Visaを導入する予定です。この新しいビザには、「Specialist Skills」、「Core Skills」、「Essential Skills」の3つのストリームがあります。これらの3つのストリームで、高い知識と技術を要する職業、看護や教育など重要な職業、またはローカルの労働市場で埋められない職業の労働者が、ビザスポンサーを受けることができます。
このビザ保持者に対して、永住権申請に必要な就労条件が緩和されます。現行のTSSビザ保持者は、永住権の資格を得るためにひとつの雇用主の下で2年間以上働かなければなりません。変更後はどの雇用主の下でも、働いた期間を就労期間にカウントすることができます。この変更は、ビザ保持者がひとつの雇用主に縛られ、労働者やビザシステムの濫用に繋がるのを防ぐためです。
雇用主が変わる場合でも、ビザ保持者はビザを失うことなく新しい仕事を見つけるのに最大180日間費やすことができます。現在の条件下で、雇用のない期間の最大日数は60日のみです。

学生ビザの悪用を防ぐ
オーストラリアの教育機関の中には学生ビザプログラムを悪用し、本来の教育目的ではなく、学生を働かせるために存在している学校があると政府は指摘しています。
今後、学生ビザの英語能力要件はIELTS 6.5、卒業生ビザはIELTS 6.0に引き上げられる予定です。
また、卒業ビザ保持者がオーストラリアで更にコースを受講し、学生ビザを申請するのを防ぐ措置がなされる予定です。つまり卒業生ビザ保持者は、再び学生ビザを申請できなります。卒業後は就職し、就労ビザ取得に向けて職務経験を積まざるを得なくなります。
卒業生ビザは、35歳未満の申請者に限定されます。これは、長期的にオーストラリアの経済に貢献できる若いキャリアプロフェッショナルを呼び込むためです。

労働搾取の防止
政府は、職場での労働搾取を減らすことにも重点を置く意向です。労働搾取をしている雇用主にはより大きな罰金が課せられ、スポンサーされた労働者は頻繁に労働環境などをチェックされるようになります。
スポンサーになりたい雇用主は、現在よりも高い基準を満たさなければなりません。基準を満たし移民局で承認されたスポンサーになると、公的なスポンサー承認の登録リストに追加されます。これにより、労働者はどの雇用主が優良であるかどうかを判断することができます。

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Kabo Lawyers logo Andy Ellen Andy Ellen【 アンディ・エレン】
(Registered Migration Agent, MARN 0962018)

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