愛子先生の診察室便り

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感染症対策 Part 2 予防接種のアップデート(2024年2月)- 愛子先生の診療室便り

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感染症対策 Part 2 予防接種のアップデート
 

日本では、大災害や事故など悲しい幕開けの2024年になりました。1ヶ月が経ちましたが、自然災害はいつ起こるかわかりません。被災すると、想定外の環境で過ごさなければなりません。衛生面も確保しにくい状況下で感染症を防ぐには、常にご自身のベストな心身の健康や免疫力をキープしておくこと、そしてワクチン接種にかかっています。
今回は、予防接種についておさらいしておきましょう。

予防接種の重要性
予防接種とは、免疫を獲得し、病気に対する免疫システムを強化するためにワクチンを投与するプロセスです。その主な目的は、個人の病気を予防し、社会における病気の蔓延を阻止することにあります。

ワクチンには、予防接種法に基づく「定期ワクチン」と、さまざまな状況に応じて接種される「臨時ワクチン」の2種類があります。
定期ワクチンは通常、乳幼児期に行われ、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、B型肝炎、おたふく風邪、風疹、麻疹などの病気を予防するもの。そして、非定期(臨時)ワクチンは季節性インフルエンザの予防や海外渡航など特定の状況時に接種されます。
乳幼児の予防接種は、出産時に病院でもらうGreen Book(母子手帳)のスケジュールに従って下さい。
成人では、遺伝免疫力の低下したとき、病気のかかりやすさ、年齢などに応じて適切なワクチン接種が必要です。それぞれの病気・健康状態に応じた特定のスケジュールに従って、定期的にワクチン接種を行うことが重要です。掛かり付け医に相談するとよいでしょう。
但し、明らかな発熱や重度の急性疾患があるとき、ワクチン接種は受けるべきではありません。接種は控えスケジュールを組み直しましょう。

渡航先やライフステージによって追加接種も
現在、日本やオーストラリアで流行していない病気に対するワクチン接種の必要性はあるでしょうか。東南アジアや南アメリカ、アフリカなどへの旅行前に、ワクチン接種や感染症の話を病院に聞きに行ったことはありますか? 私は、オーストラリアに移り住むまで、考えたこともありませんでした。
渡航先では、日本やオーストラリアで流行したことのない病気、予防接種したことのない病気が広がっている可能性もあります。破傷風、ジフテリア、ポリオ、百日咳、麻疹・風疹、麻疹などのワクチンのアップデート(再接種)、臨時ワクチンのA型肝炎、チフス、黄熱、狂犬病の予防接種など、渡航先によっては必須なものもあります。

また、日本もオーストラリアもいろいろなバックグラウンドの人が旅行・移住して来ています。今までなかったような病気が入って来ている可能性もあります。オーストラリアでは、破傷風、ジフテリア、百日咳のワクチンは、10年ごとにアップデート(再接種)することを推奨しています。季節性インフルエンザワクチンは毎年、年齢のマイルストンを超えたら帯状疱疹の予防接種など、いろいろな予防接種があります。ライフステージとバックグラウンドに応じて、推奨されるワクチンが変わります。

何かあってから対応することは、通常機能しているオーストラリアや日本では可能ですが、自然災害や大きい事故があると対応が不可能な場合があります。また、海外に行かなくても、いつ何がどこで起こるかわからない時代です。
そのことも想定し、アップデート可能なワクチンはないか、常に掛かり付け医と相談し接種することをお勧めします。

Dr. Aiko Tomita Dr. Aiko Tomita Logo 一人ひとりに向き合った医療を提供
富田愛子 Dr. Aiko(Tiarni)Tomita
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