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実践・断捨離の心理学 わたしを作る・【食】のこと
モノの捨て方、整理の仕方、迷いを捨てるための心の持ち方
その4 キッチン用品 第7回 ”どの油を選んだらいいの?”− 油脂のお話

豪州認定サイコロジスト 桜井 多恵子  2015年5月、日本の厚生労働省が「食事で などです。植物油の中では、ココナッツ油、
体内のコレステロール値は変わらない」と発 パーム油は飽和脂肪酸の類に入ります(注
M: 0466 229 273 W: mindbodyliving.com E: tsakurai@mindbodyliving.com 表したことは、意外にあまり知られていませ 意:パーム油は、環境、倫理的な点で非難を
ん。コレステロールというと、今までは、動物 浴びています)。ココナッツ油(精製されて
性油脂やバターなどの飽和脂肪酸が悪者と い な い も の )は 、ト ラ ン ス 脂 肪 酸 ゼロ 。バ
されていました。そういった油脂の摂取が、 ターやギーは、カロリーが高いので敬遠さ
体内のコレステロール値とは関係がないと れがちですが、摂り過ぎなければ心配ない
いうことですから、今までの常識を覆す新た でしょう。
な見解だといってよいでしょう。
 油のことで、一番知っておくべきことは、 揚げ物には
マーガリンなどに含まれるトランス脂肪  植物油の中でも比較的smoke poin(t 煙
酸。動脈硬化や不妊などをはじめ、さまざま 点:高いほど熱に強い)が高い、ライスブラ
な問題の原因となることが分かっていま ンオイル(煙点:260℃)やグレープシード
す 。日 本 で は な ん の 規 制 も な く 市 場 に 出 オ イ ル( 煙 点:2 3 0 ℃ )が お 勧 め で す 。し か
回っていますが、2015年6月、アメリカでは し、これらの油は、加工の時点でトランス脂
トランス脂肪酸を食品添加物から全廃する 肪酸が発生していることがあります。また、
と発表しました。トランス脂肪酸は、液体状 リノール酸(オメガ6系脂肪酸)の含有量が
の植物油を固形状の油脂に加工する際に生 多いので、摂り過ぎには注意が必要です。
成されたり、油を精製する際に高温で熱さ
れる時にも発生します。なので、通常出回っ 不足しがちなオレイン酸とα—リノレン酸
ている植物油にはトランス脂肪酸が含まれ  オレイン酸(オメガ9系脂肪酸)を豊富に
ていると考えていいでしょう。 含むエキストラバージンオリーブ油(cold
press)や、α—リノレン酸(オメガ3系脂肪
どの油を選べば良いか 酸)が豊富なフラックスシードオイル(亜麻
 調理には、熱や光に対して安定している 仁油)などは、火を通さないドレッシングな
飽和脂肪酸が向いています。バターやギー どで、積極的に摂りたい油です。

たるい千賀 BHSc 自然療法(栄養医学)学士号。ANTA会員。
The Clarendon Clinicにて、健康維持、症状改善のための栄養療法を指導。
E:info@naturalfoodtherapy.com.au W:naturalfoodtherapy.com.au

8・9月は、ミニコンサルテーション実施期間。平日夕方と土曜日、大幅割引価格で療法指導が受けられます。

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