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柴田歯科医院 
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●知覚過敏について●
知覚過敏とは?
虫歯ではないのに、歯が痛いと感じたことはありますか?
冷たいものや摩擦などの外来刺激により、歯がしみたり痛いと感じる症状を一般的に知覚過敏と呼び、正式名称は「象牙質知覚過敏」といいます。

痛みは一過性であることが特徴です。

どんな人が知覚過敏になりやすい?
知覚過敏になっている人は多く、突然症状が出ることもあります。
10代の初めになる人もいれば、70歳を過ぎてなる人もいますが、多くは20歳から40歳の間の人にみられる症状だと言われています。
男の人よりも女の人の方が知覚過敏になりやすい傾向にあります。

尚、知覚過敏は「虫歯」ではありません。しかし、しみる、痛いと言う症状は虫歯の場合にも見られますので、少しでも症状が現れた場合には一度歯科医師と受診される事をオススメ致します。
知覚過敏だろうと、放置していると虫歯だった際に悪化してしまう可能性がありますので、気をつけましょう。

原因は?

知覚過敏は、歯の内側にある「象牙質」と呼ばれる部分の露出が原因で起こります。
健康な歯の表面はエナメル質という硬い層で覆われていて、外側からの刺激を遮断する役割を果たしています。
このエナメル質の欠損によって象牙質が露出したり、歯肉が退縮して根面が露出されると、象牙質の表面にある象牙細管(象牙質の表面には小さな管が歯髄まで通っています)を通じて歯髄に直接刺激が伝わるようになり、痛みを感じるようになります。

なので知覚過敏の原因は主に「エナメル質が削れたり溶け、象牙質が露出」してしまっているからとなります。

※エナメル質は白色ですが、象牙質は実際にも黄色く、歯が擦り減ってきた/溶け出してしまうと黄色い色が露になります

象牙質露出の原因は?
1)ブラッシングによる磨耗
歯磨きを必要回数以上行ったり、強い力でゴシゴシ磨いたり、または硬い歯ブラシを使うことにより、歯のエナメル質が削れてしまうことがあります。
また、強く磨きすぎると歯茎が下がったり退縮し、歯の根面が露出する可能性があります。
ブラッシングによる摩擦で歯茎が下がってしまったり、エナメル質が削れて閉まったことを英語ではToothbrush abrasionと呼ばれます。

歯を磨く際には、柔らかい歯ブラシを使い、歯に強く歯ブラシを当てないように気をつけながら歯磨きをしましょう。
又、電動歯ブラシを使用している方は、優しく歯にあてがうだけにし、強い力で電動歯ブラシで歯へあてる、又は手動の時のように自分でも動かしてしまう事は避けて下さい。電動歯ブラシは手動の歯ブラシより回転数も早く、強くあてがうとエナメル質が削れてしまう原因となります。

正しい歯磨きの仕方は、歯科医師よりご説明する事も可能となりますので、定期検診やクリーニングを行う際に、歯科医師又は歯科衛生士と歯磨きの仕方のおさらいをするといいでしょう。

 2)酸蝕症(さんしょくしょう)

の作用により歯が脱灰し、歯の表面のエナメル質が侵蝕され、症状が進行すると知覚過敏を引き起こすことがあります。酸の多い酢や炭酸、一部の果汁やハーブティーなどの摂取や、逆流性食道炎などの胃酸による原因が主だとされています。
又、甘いものが好きな方や、一日の間食回数が多い方はなるべく歯磨きをするように心掛けましょう。

尚、酸性のものを食べた後は必ず15分~30分程時間を置いてから歯磨きをするように心掛けてください。酸性の飲食を行った後、歯

は溶けやすい『酸性』状態となります。その間歯磨きをしてしまうと、エナメル質が削れ易くなりますので、時間を置く必要があるのです。

pH値の高いものはアルカリ性、低いものは酸性となります。ミネラルウォーターや牛乳、緑の野菜、ヨーグルトなどは酸性になった口内を中和する働きをしますので、アルコールや炭酸、糖質のものなどを食べた後には一度水を含んだり、牛乳を飲むのをオススメします。

 

3)歯茎の後退
歯茎は加齢により退縮する可能性があります。その他にも無理なブラッシング方法により歯茎が後退し、歯の根の部分が剥き出しになることがあります。
歯の根面はエナメル質に覆われていないため、知覚過敏の原因になることがあります。
 

 
4)歯周病
歯石や歯垢が溜まると歯周病になり、歯を支えている骨を破壊したり歯茎にも悪影響を及ぼします。
歯周病になると歯茎歯周組織に炎症が起こり、歯茎が退縮して象牙質が剥き出しになってしまうことがあります。


5)歯ぎしり
睡眠中に歯ぎしりをしたり、無意識のうちに噛み締めをしていると、歯の表面にあるエナメル質が剥がれて象牙質が露出し、知覚過敏を引き起こすことがあります。
 

 

 

どんな時に歯が敏感になりやすい?
冷たいものを食べたり飲んだり、または冷たい風が歯に当った時に歯がしみると感じやすいでしょう。甘い物や酸性の強い食べ物や飲み物を摂取した時に歯に痛みを感じる人もいます。痛みはすぐに引くことが多いですが、まれに持続することもあります。

家で出来るケア方法は?
多くの種類の知覚過敏のための歯磨き粉が市販されています。普通の歯磨き粉と同様に使うこと

も出来ますし、過敏な部分に塗って使うことも出来ます。効果は2、3日程の使用で実感することが出来る人もいれば、何週間も使わないと効き目を感じない人もいます。

 
又、知覚過敏用の歯磨き粉は毎日2回以上歯磨きを行う事で初めて効果が現れます。多くの歯磨き粉は象牙質の象牙細管部分に薄い膜を張り、神経への刺激を防ぐ働きをします。しかし、飲食をする事でこの膜は溶けてしまうので、歯磨きを行った後はなるべく30分から45分程は飲食を避けるように心掛けましょう。

 
歯科医院ではどんな治療方法がある?

歯科医師や衛生士は、知覚過敏の症状からどのような治療方法が最適かを判断します。
症状を和らげるために、フッ素ジェルなどで過敏になっている歯をコーティングする方法があります。
この治療は効果が現れるまでに時間がかかることもあり、何度かの通院が必要な場合もあります。
もしもジェルやクリームの塗布では効果が見られない場合は、歯と歯茎の境目の根元の部分などの露出された象牙質をカバーするという治療方法もあります。

この象牙質をカバーと言う治療は、象牙質が露出された部分を詰め物で覆い、歯髄への刺激バリヤーを作ります。
こうする事によって、象牙細管を通して歯髄まで刺激が通うことを防ぎ、知覚過敏を治す事が出来るのです。
しかし、カバー治療を行ったからと言い、今後知覚過敏が再発しないとは言い切れません。
ご自身での正しいオーラルケアを怠らず、毎日続ける事で知覚過敏の再発を防ぐ事へと繋がります。

歯のミネラルパック

又、ご自宅で歯のミネラルパックを行う事も出来ます。
日本のGCという会社が発売しているデンタルケアグッズで、オーストラリアでは子供から大人まで、多くの人が使っているトゥースムース(Tooth Mousse)と言う商品があります。
この商品はカルシウムとリンの豊富なミネラルによって歯質を強化し、CPP-ACP(リカルデント*)で酸性になったお口の状態を中性に戻し、虫歯やエナメル質が削れ/溶けにくい歯を作ります。

オーストラリアでは特定の薬局、又は歯科医院にてご購入可能です。

*CPP-ACP(リカルデント)とは、牛乳由来のたんぱく質カゼインホスホペプチド(CPP)で、歯の石灰化に有効なリン酸カルシウム(ACP)をコーティングしたものです。CPP-ACPは歯の再石灰化を促進させるミネラルを過飽和の状態にして高濃度かつ吸収されやすい状態にします。また、このミネラルがエナメル質の内側まで浸透する特徴を持っています。このため、歯に失われたミネラルを供給することで虫歯の発生を抑え、歯の再石灰化を促し、歯を強くする作用があります。

 
 
知覚過敏にならないようにするためにはどうすればいい?
・必要以上に力を入れて歯磨きをしない
・毛先の柔らかい歯ブラシを使う
・日々の歯磨きやフロスを怠らないことで、歯周病予防を心がける
・歯ぎしりや噛み締めに注意し、歯ぎしり防止のスプリントを使用する
・知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
・トゥースムースで歯の再石灰化を促しエナメル質の補強をする
・間食を止め、食生活を見直す
・食事のpH値を学び、酸性やアルカリ性の飲食をバランスよく摂る

知覚過敏は自分で正しいオーラルケアを心掛けていれば防げる症状となります。
又、自分で下記の一つでも当てはまる方は、一度歯科医師と相談するように心掛けましょう
●歯茎が下がってきているような気がする
●冷たいものや空気がしみる
●歯が擦り減って来ている
●歯の色が白いのに、中心部に黄色くなってる部分がある、又は歯が溶けているように見える



又、知覚過敏は軽度なものであれば、時間が経過すると自然と消失する事もあります。これは露出した象牙質が、唾液や歯磨き剤を使用する事により再石灰化し、象牙細管が封鎖されるからと考えられます。
しかし、露出した象牙質部分を歯磨きすると「しみる」「痛む」と言う症状が現れる場合が多くあります。痛みを感じやすくなっている場合には、歯磨きを止めてしまうのではなく根気良く続けてみてください。
歯磨きを十分に行わないとプラークが付着し、エナメル質を溶かす原因となり、更に知覚過敏が悪化してしまう恐れもあります。

「知覚過敏かも?」
と少しでも気になる方は、早めに歯科医師と相談しましょう。
 
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