クリスの使えるオージースラング教室 VOL.11

 毎年キリンビールが、国別に一人当たりのビール消費量調査を行います。2017年度版によりますと、オーストラリアは一人当たり71.2リットルで世界22位でした。日本は一人当たり40.1リットルで世界50位でした。かなりの差がありますね。

 このくらいアルコールが好きな国では、アルコールに関する俗語や表現、パブカルチャーなどが生まれてくることは当然です。今月、みなさんにそのスラングを紹介したいと思います。

今月はアルコール関係の俗語

 メルボルン都心の中にも多くのパブがあり、ビクトリア州全体でいうとその数はかなりなのではないでしょうか。なので、来豪したばかりでもすぐパブに連れていかれるという可能性も高いですし、そうでなくてもレストランなどで下記の専門用語や俗語が役に立ちますので覚えておきましょう。

 先ずは注文。一般的に、6種類のアルコールがあり、ビール、サイダー、プレミックス、ワイン、スピリッツ、カクテルに分かれています。ワインは簡単。"A glass of (ワイン名) thanks." や "A bottle of (ワイン名) thanks." で注文すればいいです。カクテルやスピリッツも楽で "A (カクテルやスピリッツ名) thanks." で済む。しかし、"Amber nectar"(オーストラリア独自の「ビール」という意味の俗語)やサイダーの場合、色んなグラスのサイズがあり、そのサイズに合わせるグラス名と、ビールやサイダー名を組み合わせて注文しなければなりません。例えば "A pot of (ビール名) thanks." や "A pint of (サイダー名) thanks." と言います。

 しかし、そのグラスの区別ですが、オーストラリアの場合、オーストラリア独特の呼び名だけでなく、州によってサイズの呼び名が異なることもあるので、戸惑う可能性が高いと思います。285mlのグラスは一般的に "Pot" と言いますが、ニューサウスウェルズ州、クイーンズランド州、ウェスタンオーストラリア州では "Middy" とも呼ばれています。その上に "Schooner"(425ml)や "Pint"(568ml)のサイズがありますが、"Schooner" の販売は昔からニューサウスウェルズ州、クイーンズランド州、ウェスタンオーストラリア州、ノーザンテリトリーがメインだったため、今でもビクトリア州にあるパブでは注文できません。更にサウスオーストラリア州で "Schooner" を注文すると、ビクトリア州の "Pot" と同サイズのグラスが出てきますので要注意。

 カクテルの名前は世界中同じなので、ここでは紹介しませんが、オーストラリアではスピリッツを注文するときにスピリッツ名を省略することがよくあります。Bundaberg Rumは "Bundy"、バーボンのJim Beamは "Beam"、 Stolichnaya Vodkaは "Stollie"、そしてJack Daniels は "JD" と呼ばれています。簡単に "A Bundy and Coke, thanks." といえばOKです。

 BBQやパーティーでアルコールを飲む場合、オーストラリアでは "Bottle-O" で買います。"Bottle Shop" の省略形で、以前紹介済みの「省略のO」の一つです。 特に引っかかりそうなのは瓶ビールの瓶の名前。瓶ビールは瓶の首の長さで呼び名が変わり、最も短い首の "Stubby"("Stub"(切り株)から生まれた言葉)以外に、"Middy"や"Mid-neck"(文字通り中瓶)や "Long-neck" があります。ちなみに "Stubby" から "Stubby holder"(オーストラリア発明であるネオプレン製の瓶の入れ物)という言葉が誕生しました。

 パーティーなどでは、アルコールの話題が出ると、ワインの意味をする "Vino"(本来はイタリア語)という言葉や、ペイントはがし材のように質の悪いアルコールという意味で "Paint stripper" と言う言葉も出てくるかもしれません。大きなパーティーであればあるほど、必ずビール2杯くらいで酔ってしまい、大声をすぐ出す人が居るはずです。そいう人たちはオーストラリアでは "Two-pot screamer" と言いますので、是非見かけたら使ってみてください。

● メルボルンのパブ ●

パブにまつわるクイズです!

1. バーで隣に立ってる人が "A JD and Coke, thanks" と言っていたら、何を注文したでしょうか。

A. ウォッカとコーラ
B. ウイスキーとコーラ
C. ワインとコーラ

2. ワインを飲んで "Ugh, that’s paint stripper!" と友達が言ったら味の印象はどうだったのでしょうか。

A. 「美味い」と思った。
B. 「安物だ」と思った。
C. 「物凄くまずい」と思った。

3. ビールの "schooner" を注文して、意外と小っちゃいビールが出てきたらオーストラリアのどこにいるはずですか。

A. サウスオーストラリア州
B. ビクトリア州
C. ノーザンテリトリー

4. "Amber nectar" を注文したらどんなアルコールが出てくるのでしょうか。

A. ワイン
B. カクテル
C. ビール
D. サイダー

答え:
1. (B)
2. (C)
3. (A)
2. (C)

Chris Nicholls(クリス・ニコルス)

 父はイギリス人、母は日本人。日本で生まれ、幼少期をイギリスで過ごす。その後、家族でオーストラリア移住。英語教師の資格(CELTA)を取得し、日本の英会話学校で英語教師として2年勤務。2007年からはジャーナリストとして活躍。日本語も堪能なので、日本人が間違いやすい英語の指導に自信あり。

(2007年2月号 Dengon Netより更新)