チャンスもビザも自分次第
第11回 『愛の証明』

 永住権取得の道は様々にありますが、最後に残ったといいますか、すべてのビザ取得条件を超越して、パートナーとしての永住権取得の道があります。
この道は、ある方にとっては「愛する人」と共にいるための道ですが、別の方にとっては「最後に残った方法」にもなります。歴史的に見て、年々その条件が厳しくなっています。
厳しくなった部分は、結婚証明がない場合には、申請前に12ヶ月以上同居していることや、パートナービザ全体として、申請後に2年間待たないと永住権にはならないことなどです。通算して3年間一緒にいるということで、この時間的な束縛は、愛している人達にとっては「楽しい時間」ですが、永住ビザ取得に利用しようとしている人にとっては、好きでもない人と一緒にいなくてはいけないという「苦痛の時間」になるでしょう。
 その時は愛していても、3年の間に愛が消えることもありますが、愛している間の申請は遠慮なくできます。その「愛の証明」は、財産の共有など、客観的な状況証拠を揃える必要があります。落ち着いて考えると「愛を証明する」というのは、なかなか難しいですね。また、物的証拠といいますか、唯一といっていい積極的な愛の証拠は、パートナーとの間に「子供」を持つことです。この場合、時間的な制約が短縮されます。
 パートナーの対象は同性にも及びます。日本では違和感のある同性愛も、古くからパートナーとしての資格を持っていますが、パートナーとの間に「愛の結晶」や、結婚証明を持つことができないので、状況証拠を揃えることと、政府を納得させることに、より大きな努力が必要です。  ビザの申請は、それぞれに人生模様が凝縮され、ひとつひとつの申請に物語があります。
 たとえば、あるカップルの話ですが、前出のような条件がクリアーできずに一度は申請を却下された例がありました。2人の出会いはまるで恋愛小説のようでしたが、その後、不本意な別れ、そして別な人との結婚を経験し、2人の子供までもうけました。ところが、愛のない、満たされない結婚生活が、真実の愛を呼び覚まし、10年後に子連れでの再会、すぐに同居生活が始まりました。2人は12ヶ月の条件は満たしていませんが、パートナーでのビザ申請をしました。ここで政府から、申請の条件を満たしていないという、却下の通知が舞い込むと追い込まれた状況になりますが、あきらめずにいれば、文化の違い、人道的な見地や個々人の抱えた状況などが考慮に値すると判断された場合、政府の別機関に認定され、ビザ取得の門戸が大きく開かれます。
 このカップルは、結果的に10年越しの愛を貫き通し、見事にビザを取得しました。真実の愛は、どんな障害も乗り越え、強いものですね。

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