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チャンスもビザも自分次第
最終回 『両親の移住』

 現在のオーストラリアの人口は、第2次世界大戦以降の移住政策に大きく影響されています。世界各国との移住受け入れ政策なども大きな人口を受け入れる手段とされていました。

 オーストラリアには、明治末期のブラジルと日本のように、政府レベルでの移住政策はありませんでした。その代わり、ヨーロッパの国々との移住政策があり、ギリシャ人の人口や、イタリア人の人口などが多く、それらの国々の人々はその言語だけでも、その言葉のできる医者がいたり、弁護士がいたり、生活全般にその国の言葉が通用し、生活ができると言われていました。また、昔のオーストラリアは資源国家として裕福であり、若い人口を受け入れた後に、その両親を受け入れても、成り立っていました。

 日本人の場合は、移住人口は非常なマイノリティーです。生活をしてはいても、永住ビザを持っている人の数はごく少数でしょう。2万人もいないのではないでしょうか。本人が永住を志し取得した後、親の面倒をどう見るかという問題も、少子化の日本では大きな問題です。例えば「1人娘がオーストラリア人と結婚」などという場合、親の老後の世話をどうするかは、切実な問題でしょう。

  本人は、好きでオーストラリアに来ているからいいのですが、果たして両親は…。まず、日本語で医者にかかることがなかなか大変です。買い物に行くことも、日本のように「歩いてちょっと」とはいきません。友達も、日本語の話せる気のあう人が近くにいればいいのですが…。日本では問題のないことひとつひとつが大変です。

  裏庭に家庭菜園を作ってもらうことも、最初はいいでしょう。しかし、体が動かなくなるとそうも言っていられません。まだ若いうちはいいけれども、介護が必要になるとどうなるか。英語を達者に話していたお母さんが、日本語しかできなくなり、介護の人とコミュニケーションが取れなくなることもよく聞く話です。ご本人の幸せを考えると、果たして移住が最善の策かどうかはわかりません。まして、日本の財産を全部処理してくると、もう逃げ道はありません。

 この話しに結論はありません。人生最後は親御さんがどう生きるか、家族がどう面倒を見るかということにもなるでしょう。熟慮をお勧めいたします。

 本来なら立場上、移住をお勧めしてお仕事をいただくのですが、若輩もそういうことを考えさせられる歳になったということでしょうか。結論的には、ご本人、ご家族が幸せになっていただくことが重要かと思います。

 ということで、徒然なままに書かせていただいてきたこのコラムですが、この形でのご案内は最終回となります。ありがとうございました。