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やかなチャペル・ストリートも、マルバン・ロードを越えると、ヒッピー系の文化も混ざり、散歩に出掛けるのにぴったりの街並み。そんな中にある、角のガラス張りのレストラン。以前から気になる存在感を持っていたが、その店がアジアン・レストランとして新装開店し、しかも仕掛け人が新聞各紙に「金さん」という名で知られる荒金シェフと聞いては、放っておけない。きっと何かおもしろい料理が待っているはず。そんなワクワク冒険気分で、いただきます!
このレストランを訪れたのは、開店直後の4月末。店に入ると、マネージャーのダニーさんの笑顔が待っていた。この店に誇りを持って、みんなが嬉しそうに働いているのがわかる。内装も一新し、パン・アジアンにふさわしい、4人のアジア娘をデザインしたイラストがテーマ。テーブルの上のメニューも4種類あり、おみやげに持ち帰るお客さんも多いそうだ。
席に着くと、金さんとヘッドシェフのベンさんが登場。ベンさんはまだ25歳。シェフになろうと決めたのが15歳の時。「それから後ろを見たことがない」と言い切った、その目が輝いている。ヘッドシェフは初めての大抜擢だが、この店のメニューは全て彼のアイデア。腕を見込んだ金さんが、全てを任せて、育てようとしている心意気が伝わって来て、料理を食べる前に、なんだか感動してしまう。
この店のメニュー、オントレーは$15前後、メインは$30前後で、アジアンにしてはちょっと高めだが、シェアして楽しんでもらうことを前提にして、料理のサイズは大き目。だから、チャペルへお出掛け気分の日には、みんなで一緒に、ちょっと違う味わいを楽しんでほしい。3種類の料理を選べるランチセットもあり、ワインまたはハーブ茶付きで$19.90なので、お試しにはぴったり。
そんなわけで、一品目は、ランチセット。まず、ウエイターのトビーさんが持って来てくれたサクランボ茶は、本当にサクランボの味がして、気分が盛り上がる。本日のランチは、揚げ出し豆腐、サーモンフィッシュケーキ、ポークチークの3品。揚げ出し豆腐と聞けば、頭の中にイメージが浮かぶが、軽く吹き飛ばされる。店で作った新鮮な卵豆腐を、衣を付けずに揚げているというが、まるでデリケートなケーキを食べているような、小さな幸せ。豚の頬肉を炊いて、ソーダを使ってきめの細かい衣で揚げたポークチークは、外はやさしくカリカリで、内側は柔らかくジューシー。フィッシュケーキもソースが活きて、それぞれの料理が個性を歌いながら、ハーモニーを生み出している。
続いてメインコースから、パンプキンのイエローカレー。ココナッツミルクやカレーの濃い味が苦手な人にも、十分に楽しめるマイルドな味付け。特に、柔らかくなりかけの、歯応えを残したパンプキンが新鮮。その自然な甘みにコリアンダーや他のスパイスが混ざる、楽しいベジタリアン料理。黄緑色の色合いも美しい。そしてBBQされたラム肉は赤茶系の色彩で、肉の香ばしさに甘いソースがからんで、バランスも絶妙。メニューの中にオドロキがたくさん隠されていて、残りの料理も探索したくなるが、今日はここまで。だってデザートが待っているんだもん。チョコレート4品は日替わりで、今日はホワイトチョコのアイス、ムース、タルト、ゴマを使った生チョコ。決して甘すぎず、ムースの横のリンゴとか、細かい気配りもふんだんで、女性には天国。
最後に登場したのは、特別ディナー用のデザート。月に一度、セットメニューの特別ディナーを開く予定で、そちらは金さんが腕前を振るう。なんとオリーブオイルのアイスに、パナコッタ、フルーツのすっぱさが織り成すハーモニーは一級品。ぜひその夕食会にも行ってみたい。しかし、次はまず、友達を連れてランチに行って、残りのメニューを試してみなくっちゃ。
ごちそうさまでした!