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の店はおいしいらしい。という噂を聞きつけ、予約を取り付けた。店に入った瞬間「おいしいものを食べられるぞ」と確信させるいい匂い。しかもFlinders Street駅の目の前、Forumの横というロケーションなのに、観光スポット化していない! ファンクが流れる店内で聞こえてくる英語達はリラックスしていているが、その雰囲気は決してだらしなくない。ちょっとお高めのメニューにドギマギしつつ、マネージャーのアンディさんの「僕にまかせて」という紳士な笑顔に騙され、いや、頼りにしながら、いただきます!
最初に登場した店のマストメニューOrtizは、薄く伸ばされたクルトンの上にアンチョビとトマトのソルベが乗っている。アンチョビが刻まれた状態ではなく、でーんと大きいままで食べられるなんて、贅沢なスタート。塩気が強いのでちょびちょび食べながら白ワインを楽しみたい。
次に運ばれて来たのは、Iberico Jamon De Jabugo。スペインから輸入された豚肉の王様、最高級イベリコ豚の生ハム。しかも、オーガニックと来た! 完璧に燻されたこのイベリコ様の味は力強く、最初に口にした一瞬だけチーズのようなクセがやってくる。その後は、何だか飲み込むのがもったいないような、もう少し舌の上に乗っけておきたいような…。
つい、貧乏癖が出てイベリコ様をもてあそんでいると、何やら謎のルックスをした料理がやって来た。肉プラス泡!? この泡の正体は、高級食材トリュフ味をつけたポテト。このトリュフ味の泡と半熟卵のトロトロコンビが軽く燻製になった和牛肉スライスと絡み、舌にもその濃厚な味がねっとり絡んでくる。ここで気になったのが、ビーフ大国にありながらどうしてワギュウなのか。スタッフのエディさん曰く「だってあの霜降りは美しいし、何より質がいいんだもの」。おっしゃる通り、確かにおいしい。「朝食にもってこいのメニューだよ」とエディーさん。そんな贅沢、庶民には無理だが、見た目で嬉しい驚きを与えてくれるだけでなく、食感、味すべてにおいて満点なメニューCecinaは絶対お勧め。ちょっと台所事情が厳しくても食べて欲しい。
そして、メイン的に登場したMonte Mar。スライスではなく、ミートボール状になった肉はうさぎ肉。独特の臭みを消すために使われたスパイスは、同時に旨味を引き出している。日本人には、うさぎ肉にエビを合わせようなんて思いもつかないが、エビ味噌が溶け込んだ白ワインベースのソースとジビエな味の組み合わせは、謎めいていておもしろい。
ランチとディナーのメニューは同じ。3〜5pmの間だけキッチンは閉まるが、軽いスナック類は用意されているので、その間も中に入ってワインを楽しむことができる。ForumやACMI等の映画館からも近い為、映画や公演前等の空いた時間で、タパスをつまみながらワインを1〜2杯…というお客さんも多いのだとか。デザートパーソンな方は、キッチンの上を見上げてみると、その日食べられるデザートが書いてあるからチェックをお忘れなく。この日いただいた、旬のフルーツを使ったSpecialは、コーン状になったパリパリのカラメルをくずしながら、中のつぶ栗入りのフワフワクリームと絡めて食べるもので、秋の味覚満載なデザート。同じプレートの上には洋梨のココットも丸ごとドン。スプーンですくった時のシャリッという感覚とほんのりシナモンの風味が素敵だ。
ということでデザートを含めトータル5品をいただいたが、正直満腹になったわけではない。もし、手早くお腹いっぱいになりたかったら別のお店をお勧めするが、デートで株を上げたい、パブでカールトンは飽きた、今日は雰囲気にお金を払いたい、なんていう時には期待を裏切らないお店。
ごちそうさまでした!