はじめての習いごと
Kensingtonの住宅街。3階建てのタウンハウスの玄関口に立つと、先生のアシスタントで奥さんのチカさんが笑顔で出迎えてくれた。
  広々と清潔な2階のダイニングキッチンでは、すでにエプロンを着けたロジャー先生が下準備の真っ最中。エプロンを借り、いよいよ StockholmsKök のスタート。

イタリアン、フレンチを中心にどんな料理でも教えてくれるが、ロジャー先生がスウェーデン出身ということだったので、今日のメニューは「Swedish Meat Ball & Mashed Potato with Onion Sauce, Lingonberry jam on side」。3人家族の我が家ではめったに用意することのない大量のひき肉の横には、後でミートボール作りのポイントと言う玉ねぎのみじん切りが、飴色に炒められて待機中。「料理の経験はあるよね?」。主婦歴10年ではありながら、プロを目の前に卵を割る手に緊張が走る。

  切れ味抜群の包丁にまたもや緊張しながら、パセリのみじん切りを無事終了。ほかの材料もボールに入ったところで、手捏ね、ミートボール成形へと進んでいく。
  この間、先生はマッシュポテト作りを始めていた。「オーストラリアのは、あれは、違う・・・」。たしかに、目の前のポテトは店頭ではあまり見かけない小ぶりなものだし、決定的な違いは、クリームではなく牛乳を使うことだという。
  「料理に慣れているから進みが早いね」と先生とチカさんが話しているので聞いてみると、料理はテイクアウェイか電子レンジ任せでずっと過ごしてきたという生徒がいたそうだ。「豚肉の脂身と牛肉の赤身を1対2の割合で入れるのもポイント」と教えてくれたミートボールが、フライパンの中でおいしそうな音と肉汁を出し始めるのと前後して、先生はソース作りを開始。

料理開始からそろそろ1時間。ずーっと、どこかで体験したことがあるような不思議な気分だった。「ソースのポイントは、これ」と言って、茶色の液体をフライパンに。「しょうゆはスウェーデンから日本へ行ったんだと思うね」と、いたずらっぽく笑う先生の顔を見た瞬間、不思議な気分の謎が解けた。「あ、これって、料理好きのダンナさんを持つ友達の家に行った感じだ」。

  もちろん、ロジャー先生は料理好きというにはおこがましいほどの経歴の持ち主だ。スウェーデンを始めヨーロッパだけでは飽き足らず、オーストラリアの有名レストランやホテルで長年シェフをしてきた。「シェフ業からどうして先生に?」の質問に、「カフェは何でもしなくてはならないし、レストランは厳格だしね」。「シェフとしてはもう充分に働いたから、あとは自分のスキルや味を誰かに教えたいみたいですよ」とはチカさん。22年前にバックパッカーとして初めてオーストラリアに来て魅了され、7年前に再来豪。2人が出会ったのもカフェのキッチンだったそうだ。

 今年の2月に開講。申し込みがあったらまずは会ってみて、料理経験や食べ物の好みやアレルギー、要望などを聞いてメニューを考え、希望があれば食材の買出しにも同行してくれる。定番のメニューでも、全て先生オリジナルのレシピを用意してくれる。クラスは2人までの完全少人数制で、定期でも単発でもOK。

 さて、今日のメニューの隠れた主役であるLingonberry(コケモモ)ジャムをソースに入れたところで、完成。味はもちろん申し分なし。言われたように、ジャムをソースに混ぜながら食べると、塩味のソースに甘酸っぱさがほどよいアクセントになる。マッシュポテトもくどくないのにクリーミー。酢漬けや油漬けなどの保存食材を使って、ジャガイモと一緒に食べるのがスウェーデン料理の特徴だそうだ。
  それからは料理のことを中心にいろいろ話してくれたが、ロジャー先生からもチカさんからも「料理に興味を持ってもらえることが嬉しい」気持ちが伝わってくる。「料理好きの友達夫婦の夕食に招かれた感じ」が心地良い。
  ワイングラスを片手に参加したい、そんな料理教室だ。

Stockholms Cooking
料理初心者も上級者も、自分のレベルと用途にあった内容で学べる、完全少人数制の料理教室。 “友達んち”感覚で、プロの味をマスターしよう。
習い事
Stockholms Cooking
場所: Kensington(出張も可)
日時:応相談
電話: 0417-911-009
Email: stockholmkafeteria@gmail.com
Web:stockholmkafeteria.blogspot.com
費用:1レッスン$60(材料費別)