メルボルン 今のお天気

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NAM
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狂想曲のその旋律を追うように あの頃の私はあなたを追いかけ あなたのぐるりに咲き散る夢の 色の数だけ想いは戯れる

 さて、今月号の原稿を書こうと思って、先月号を読み返して、ちょっと驚いた。社会についてあんなに熱い気分で原稿書いたんだっけ? って。しかも、皮肉なことに、6月になって日本のインフルエンザ騒ぎは、すっかり落ち着き、テレビのニュースでは全然扱われてないんだよね。あんなこと、本当に起きたの? って疑いたくなっちゃう感じ。そんな中で唯一、南半球のメルボルンが大騒ぎの中心だと報道されて、周囲のみんなに心配されるのも変な気分。日本では、ファッションでも、食べ物でも、流行の変化が激しくて、いちいち覚えていられないことが多いのは知ってたけど、社会とか、国家の方針までもが、子供の頃に信じていたみたいに安定したものじゃなくて、かなり振り幅が激しい、というか、案外、テキトーなものなんだなあと改めて実感しているところ。ちなみにあたしは、まだ東京にいて、現実のメルボルンがどうなっているか、全く把握していないので、ごめんなさいね。

 今は東京で、短期集中型の仕事をしてるんだけど、東京とメルボルンの仕事の仕方って、別の惑星みたいに違うよね。この仕事をしている間は「地球人ごっこ」を楽しんでいる火星人みたいな、どっかで本気になれないスパイみたいな心境。だって期限付きとはいえ、本当に寝る間も惜しんでみんなが仕事をしていて、影では文句も出るのに、結局は協力して働くんだもん。オーストラリアなら、シフトを組む必要が発生して、少なくとも人数は倍になるだろうな。あたしにしてみれば、お祭りみたいなノリで、非日常のアドレナリンが出てるから大丈夫だけど、このペースを日常として受け止めて、マラソンみたいに30年とかは絶対に無理で、20代の頃にオーストラリアに「逃げて」いなかったら、今まで生き残ってないと思う。東京の現実を目の当たりにしていると、自分が役立たずの半端モンみたいに思えて、ちょっと情けなくなっちゃう。中学の同級生にかなりマジに相談したら、大笑いされた。「あんたなら大丈夫、きっとちゃんと生き残ってる」って。そうかなあ、そうは思えないんだけど。そんなわけで、今はちょっとアタマが別惑星。

 そうそう、かえるちゃんの話・・・。 時は遡って、秋日和のメルボルンの午後、突如、消えたかえるちゃんのバッグ。動揺する本人を見ながら、異変に気付いたカフェの店員さんがガードマンに電話してくれている間、あたしは結構冷静にどうすればいいのかを考えていたつもり・・・。以前、友達が夜中に部屋の窓からバッグを盗まれて、近所の人が大型の産業用ゴミ箱で見付けて届けてくれたことを思い出したので、あなごちゃんを誘い、現場近くのゴミ箱を調べに走った。現金はしょうがないとしても、思い出のバッグや財布は見付かるかもしれない・・・。後から考えると昼下がりの街中でゴミ箱を漁る2人というのは、かなり怪しかったんだけど。そして、やっぱり無理そうだと気付くまでに時間はかからなかった。熱心に大型ゴミ箱を探し回っているあなごちゃんの微笑ましい姿が慰めにはなったけどね。
 それからガードマンのオフィスに行って、セキュリティーカメラの映像を見せてもらった。残念ながら、カメラ位置が遠く、みんなでいくら懸命に見ても、明らかに不審な動きをする人物は見付けられない。もし見付かったとしても、その人物を特定するのは不可能に近いだろう。この頃には、かえるちゃんのショックも悔しさに変わって、いつもの彼女らしさを取り戻し始めていて、ホッとした。
 時間も遅くなってきたので、とりあえず警察に届けておくことにした。オーストラリアでは、このぐらいの盗難では相手にされないんじゃないかという危惧もあったけど、現実は違って、ていねいに対応してくれて、銀行に電話までしてくれたのには感動で、口座の安全も確保された。かなり元気付けられた一行は、携帯も止めるべく、テルストラに向かった。ここでも順番待ちにはイラついたものの、その場で、盗まれた携帯のシムカードを無効にして、同じ電話番号のまま、新しいシムカードを発行してくれたので、自宅に戻って古い携帯を復活させることで問題解決。盗難の実害とショックはあったものの、可能な限りのリカバリーに成功したのだった。

 みなさんも盗難には十分気を付けて。そして、もし盗難にあったら、諦めずに周囲の助けを借りて、被害を最低限に食い止めようね。