メルボルン 今のお天気

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NAM
NAM
親の心子知らず
この原稿を書いているのは8月中旬なのになぜかむちゃ寒いメルボルンなのだが、発行される頃にはすっかりあったかくなっているんだろうか。日本の冬は、もっと気温が低く、氷も張るし、雪も降るのに、メルボルンの方が体感温度が低い気がするのは、あたしだけじゃなさそう。

寒さが骨身にしみる感じで、クイーンズランドに引っ越してしまうオージーのお年寄りも多いらしい。原因の一つは、家や古いビルの窓等の建てつけが悪く、どこからともなく隙間風が入ってくることにもあるようだ。今住んでいる家は、壁と床の間から光が差し込んでくるくらいなので、2ドルショップで売っているスネークという名の細長い枕のようなものを敷き詰めてある。しかし、朝と夕方の冷え込みは例年になく厳しい感じ。
フリーランスのあたしは、ちょっと活動開始時間を遅らせてるんだけど、フルタイムで働く人には行きも帰りも寒いばかりで、ちょっときついよね。しかも、貯水池に溜まらないような霧雨が降って、洗濯物が乾かなくて困っている。地球は温暖化しているんじゃなかったっけ?なーんて、この原稿を12月ぐらいになって読むと、寒いのなんてセーター着て暖房入れれば問題ないじゃん、この猛暑をなんとかしてよって気分になってるんだろうな。

さて、先月号の続きを楽しみにしていた人は何人いるんだろう? ここで全く違う話題を始めて、忘れた頃に続きが入るのも楽しいかもしれないと思いつつ、更にドラマが続いたので、書かずにはいられない気分もあり、意地悪はしないことにした。
話のわからない人は、ぜひとも伝言ネット編集部に問い合わせてみよう。NAMの先月号ってなんだった? と聞いて、答えられる読者が何人いるかは疑問だ。そういう意味でも、続きの読みものは余分な気を惹いてくれて、いいのかもなあ。街角でパトカーを見たときに思い出したりもして。

というわけで親知らずを抜いた話をしようと思う。
歯医者の定期検診に行った。去年はここで、他には問題ないが1本だけ、ぐらついている奥歯を抜いてインプラントにした方がいいという話になり、かなり古い愛車のチャーリー君を買い換えるモクロミが流れたのだった。歯医者の治療は大切だけど、フトコロに厳しい。
今年も、なんだかそんなことになりそうで、ちょっとドキドキしていたら、案の定、他には問題ないが1本だけ、一番奥の歯が、生えていない親知らずに押されて虫歯になっているようだと言われた。その歯を治療する為には、まず親知らずを抜かなければならないらしい。
オーストラリアでは、全身麻酔で親知らずを4本まとめて抜いてしまうという話は聞いたことがあったが、あたしには親知らずが生えていないので、一生他人事だと思っていた。1本抜くなら、どうせ全身麻酔だし、全部抜いちゃった方が将来同じような問題で悩まずに済むからという話を聞きながら、全然実感が持てなかった。こうしてチャーリー君との縁は今年も続くことが決まった。

病院で実際の手術(?)をする前に、専門医に紹介され、三次元のレントゲンみたいなのを撮ったりした。当日は、朝一番に病院へ行って、麻酔が切れると迎えの人に連絡が行って、家に帰るシステムだ。こんな話を具体的に聞く機会も少ないと思うので、その体験を紹介しよう。

前日の晩から絶食をして、病院に着くと看護婦が出迎えてくれて、手術着に着替える。優しい麻酔医から、「勇敢になろうとしなくていいから、家に帰ったらアラームを仕掛けて、きっちり4時間ごとに処方された鎮痛剤を飲みなさい」と指導されて、かなりびびった。
続いて「私があなたの手術の担当よ」と言う、これまた優しい看護婦さんに手を引かれて、廊下を通って部屋に入った。控え室みたいなところで麻酔をかけられて手術室に運ばれるのかと思っていたら、ドアの向こうが手術室だった。ドラマで見たような手術台があり、でっかいライトがあり、白衣のスタッフが準備をしている。壁際にはレントゲンが並んでいて、担当の専門医が振り返り、あいさつをしてくれる。
まるで悪夢を見ているような、妙に明るいこの光景には、ちょっと度肝を抜かれた。優しい看護婦さんは、手術台の白いシーツをめくり、「温かいシートがあるから良い気持ちよ」と誘ってくれる。かなり気後れしながら横になると、確かに暖かくて気持ちがいい。そう思った瞬間…。

続きは来月ね。