メルボリックシンドローム
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10年程前、私がまだ花も恥らう妙齢の金髪地黒ギャルだった頃の話。当時私はよくシティのクラブで遊んでいた。ある夜バーにいると、なかなかイケメンなオージーにナンパされた。飲み物を奢ってくれるというので、カルアミルクだかMIDORIイリュージョンだかを買ってもらって、しばし談笑していると、突然彼は私の耳元で甘く囁いた。

「僕の趣味は中世の拷問器具のレプリカを集めることなんだ。家にあるコレクションを、ぜひ君に使ってみたいなぁ」。
私自身には、ご主人様にひざまずいて、足をなめる“家畜人ヤプー”と化する趣味はあまりないのだが、フェティシストは周りに結構いるものだ。私の友達にもいる。

常にベッドサイドにロープを隠し持っている友達、彼氏をいたぶるのが何よりも快感だという友達、貞操帯を身につけている子、コスプレ好き、Club Xで買った用具を愛用する奴…。
もしかしたら人の数ほどフェティシズムとは存在するもので、この世のほとんどの人が種類や限度は違えど、何かしらの性的嗜好を持っているのかもしれない。

メルボルンはそのリベラルな土地柄のせいか、様々な性的嗜好に関してオープンである。もちろん風俗としては日本ほど多様化してはいないが、フェティシズムを文化として、アイデンティティとして捉え、誇りを持って掲げている気がする。
セントキルダにあるAbodeで、毎週やっている“フェティッシュ属性”のイベントは、知る人ぞ知る、メルボルンのサブカルシーンだ。また、毎年9月には「メルボルン・レザー・プライド」というフェスティバルが行われ、市内の様々な会場でダンスパーティーや、SMショーなどが開催される。イベント期間中、夜の街にレザーをまとったレイザーラモンHG&にしおかすみこのような人々が溢れる光景は、まさに魑魅魍魎で一見の価値がある。私は何年か前のレザー・プライドでエロティックショーを見たが、裸のお姉ちゃんがオッパイに注射針をたくさん刺して血を流しながら腰をフリフリ踊っていた。

快楽と痛みはコインの裏表、紙一重だ。
時には、ちょっと危険なフェティッシュの世界に、足を踏み入れてみてはいかがだろうか。
Melbourne Leather Pride 9月9日(水)~27日(日)
赤騒レイ子
メルボルンに流れ流れ着いて早18年。 乾燥と紫外線に今日も素肌を苛まれながら、想いを馳せるは去った月日と今は亡きDAIM○RU。嗚呼、愛しい円安よ今いずこ。それでは歌ってもらいましょう。赤騒レイ子で『三十路のメルボルン』。