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シンガーソングライター
河島 翔馬
人がいるから伝えられることがある
伝えていくことの尊さを信じて
河島  翔馬
河島 翔馬[かわしま しょうま]
シンガーソングライター
http://shoma.to
6月12日(金)メルボルン大学近くのカフェでライブがあった。ギター1本、その歌声と語りで魅了した河島翔馬。 シンプルで素朴なライブは、日本の1970年代のスタイルを彷彿させるものがあった。

父から学んだかっこよさ
彼の父親は、「酒と泪と男と女」で一世を風靡した河島英五。いわゆる有名人の子供の多くがそうであるように、息子である彼も「父がや っていたことをやろうとは思っていなかった」と言う。反発して、子供の頃はスポーツに没頭。幼稚園の頃からラグビーをし、小学生の頃はサッカーも。今も体つきはがっちりした青年だ。とはいえ、音楽に興味がなかったわけではなく、中学3年生の頃から音楽を始めた。「今年は父が亡くなって7年目、音楽を始めて8年目です。ミュージシャンを目指そうと思った時、やはり父のライブや歌う姿がかっこいいと意識しました」。

歌で「伝える」
 「自然や環境問題に興味があります。広大な自然も、文化経済の発達のために人間が壊し続けています。地球温暖化なども人間に責任がある。自分達の世代のことだけ考えるのではなく、どうやって自然と共存していくかを見出す必要に迫られていると思っています。自然を子供達に残さないと…。僕自身も緑の多い山の中腹に、自然の中で暮らしているんです」。そんな思いを歌に託して伝えていきたいと言う。自分から人へ。その人から他の人へ。「物を大切にする、人を大切にする、それを歌詞に込めています。だから、自分で作詞作曲しています」。彼の歌は、身近で気付いたことや出来事を歌詞にしているので、声高の押し付けがましさがなく、耳にも気持ちにも入ってきやすい。
 「普段は部屋で作詞、作曲していますが、常に何かに触発されるものがないと浮かんでこない、1人でこもっていても思ったように言葉は出てこないんです。だから日本国内、国外問わず旅によく出ますし、ライブを大事にしています。そこでいろんな人と出会って話をします。今回オーストラリアで、海外初のライブができました。これを皮切りに、海外ライブも増やしたいですね」。
 これまでも日本国内では、四国霊場八十八ヶ所ギター奉納演奏や自転車でライブを続けている。「10日から2週間でライブ会場を回る計画を立てます。夜ライブして昼間は自転車で移動。最後の方はやつれています(笑)」。でも、それは心地良い疲れだと言う。「都会を自転車で走ると、車の排気ガスなどで、距離が短くても疲れます。北海道を100km走ると、確かに疲れるけど、気持ちは爽快ですよ」とさわやかに笑った。

 「今回オーストラリアに来てみて、日本にはない規模の自然に圧倒されました。北海道の雰囲気に似ていますね。それにメルボルンは、トラムの音に負けない大きな音を出して演奏しても、道に絵を描いていても、それを受け入れる街や人の姿勢があり、アートに対して懐の深い街、という印象を受けました。日本の都市部では、道端で歌うのを禁止している所がほとんどですから」。

人がやらないことをしたい
将来についての質問に、「ミュージシャンは仕事が終わることがない、引退がないんです。これから先40年、50年とやり続ける覚悟です。同じことを続けていてもダメだし、いつも自分の幅を広げるように意識していないと…。チャリティーライブも続けます。人と同じことをやっていてもダメだし、人がやらないことをしたい、できなくなったらおしまいだと思っています」という返事。
そんな彼に、8月に子供が生まれる予定。伝えたいことがたくさんあるらしい。
ライブを始める前も後も、会場に来ていた1人1人と時間をかけて、にこやかに話しをしていた姿が印象的だった。