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花を留める
生活に花を持ち込んで気持ちを明るく…。
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七輪目
花を「留めること」と「生けること」の関係。
 花を「留めること」と「生けること」の関係は、どうなっているのでしょう。普通は「留めること」が「生けること」の前提なのだ、という理解で十分でしょう。

 ただ、よく考えてみると、どうもそれだけでは済まされない。ひとまずは「留めること」とは技術的なこと、「生けること」とは美的なこと、と言えそうです。そして、作品が生花であるためには「留めること」と「生けること」の双方が揃っていないといけないでしょう。一方があって、他方がある。一方がなければ、他方もない。この二項対立は相互依存的な関係だと気付きます。これはまるで仏教の縁起思想。おっと、これでは哲学ですね。

 さて、今回紹介したいのは、花留めを作品の重要なデザインにしてしまう、という楽しいアイディア。花留めは通常、花器の中、見えないところで工夫します。しかし、枝やつるなどが花留めの役割を果たしながら、同時に思いがけないデザインの要素になるということもあるのです。
 作例では、君子蘭の厚めの葉を2枚重ね、丸めてガラスの容器に押し込んでいます。葉と葉の隙間に、教室で使った残り物の花を挿し込みました。アスパラガス、白菊、蘭。透明なガラスの清涼感を強調するための緑と白。葉が作る中央の水の丸い空間はポイントですから、ここは埋めてしまってはいけません。手軽に作った小品ですが、気持ちがピンとするようで気に入りました。

 この作品について、中国人の生徒が、中国では菊は弔い用だから贈答にはあまり喜ばれないと教えてくれました。すると、ハンガリー出身の生徒が、彼女の国では白いカラー・リリーが弔いの花の代表だと話してくれました。オーストラリア人の生徒は、菊が母の日の花になったのは、英名クリスサンテマムの最後がマムと同じ綴りだからだろうとか。私の生花教室ではいろいろな国出身の人がワイワイやりながら一緒に勉強していますが、日本人は、1人もいません。日本人も歓迎なのですが。
花を留める
華道家 新保逍滄